「AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示」が1位を維持−運用残高は1兆7,368億円
投資信託事情・イボットソンのデータによると、2021年12月末現在の運用残高(純資産額)で見る投資信託の国内最大ファンド・ランキング(上位30位)(追加型株式投資信託、ETFは除く)は一番下の表の通りでした。
アライアンス・バーンスタインが運用する「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジ無)予想分配金提示」が1位を維持しました。純資産額は1兆7,368億円で、前月から1,679億円増加しました。
「アライアンス・バーンスタイン米国成長株投信Dコース毎月(ヘッジ無)(予想分配金提示型」は、マザーファンドへの投資を通じて、主として成長の可能性が高いと判断される米国株式に投資するファンドです。このファンドの予想分配金提示型とは、原則として、毎決算時(毎月15日)に分配を行い、その分配金が、計算期末の前営業日の基準価額に応じて、以下の金額になることを目指すことを意味しています。
毎計算期末の前営業日の基準価額 | 分配金額(1万口あたり、税引前) |
11,000円未満 | 基準価額の水準等を勘案して決定 |
11,000円以上12,000円未満 | 200円 |
12,000円以上13,000円未満 | 300円 |
13,000円以上14,000円未満 | 400円 |
14,000円以上 | 500円 |
「アライアンス・バーンスタイン米国成長株投信Dコース毎月(ヘッジ無)(予想分配金提示型」の信託期間は2034年6月15日までです。上位組入銘柄には、マイクロソフト、アルファベット、アマゾン、メタ・プラットフォームズなど、米国のIT大手が並んでいます。(2021年12月末現在)
一方、注目されているレオス・キャピタルワークスが運用する「ひふみプラス」の2021年12月末の純資産総額は前月2.5%(金額で115億円)増加し4,796億円でした。ひふみプラスは、主に日本の成長企業に投資するアクティブ運用の投資信託です。
なお、つみたてNISAで購入できるファンドは、残高上位30位ファンドの中では「ひふみプラス」、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、楽天投信投資顧問の「楽天・全米株式インデックス・ファンド」、SBIアセットマネジメントの「SBI・バンガード・S&P500インデックスF《SBI・バンガード・S&P500》」の4本です。
純資産上位ファンドの投資対象
純資産額上位30位までの投資信託の投資対象の分布を見ると、外国の株式に投資するファンドが19本と最も多く、日本の株式に投資するファンドと外国のREIT(不動産投資信託)に投資するファンドが各3本、アロケーション型が2本、日本の債券に投資するファンド、外国の債券に投資するファンド、そして国内のREITに投資するファンドが各々1本でした。
純資産上位30位までのファンドでは、引き続き海外の資産に投資するファンドが過半数を占めています。
純資産上位ファンドの分配頻度
純資産上位30位ファンドの分配頻度を見ると、年1回分配が16本と最も多く、次いで年12回(毎月分配型)が9本、年2回が5本でした。純資産上位のファンドでは、毎月分配型の割合は減少傾向にあります。
資金増減状況−人気があるのはどのファンドか?
投資信託の人気を測るバロメーターでもある月中の資金増減(月中の販売額から売却額を差引いた額)を見ると、純資産額上位30位までのファンドの中で資金増加額(純増額)が最も大きかったのは、アライアンス・バーンスタインの「AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示」で、月間増加額は約1,498.5億円と圧倒的な人気を博しています。
なお、2021年12月に資金増加となったのは、純資産上位30位ファンドのうち19ファンドでした。月間資金増加額上位5位ファンドは次の通りです。5本中2本がアライアンス・バーンスタインの「米国成長株投信」シリーズのファンドでした。
<月間資金増加額上位5位ファンド(2021年12月)>
順位 | 運用会社 | ファンド名 | 月末純資産額(億円) | 月間資金増加額(億円) |
1 | アライアンス | アライアンスB・米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 | 17,368 | 1,498.5 |
2 | 三菱UFJ | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 9,488 | 834.6 |
3 | アライアンス | アライアンスB・米国成長株投信B(ヘッジ無) | 5,689 | 481.8 |
4 | SBI | SBI・バンガード・S&P500インデックスF《SBI・バンガード・S&P500》 | 4,589 | 371.2 |
5 | 楽天 | 楽天・全米株式インデックス・ファンド | 4,718 | 306.7 |
一方、純資産総額上位30位ファンドの中で、月中の資金減少額が最も大きかったのは、Tロウ・プライスの「ティー・ロウ・プライス 米国成長株式ファンド《アメリカン・ロイヤルロード》」で、減少額は約176.7億円でした。純資産額上位30位ファンドの中で月間の資金減少額が最も大きかったファンド5本は次の通りでした。
運用会社 | ファンド名 | 月末純資産額(億円) | 月間資金減少額(億円) |
Tロウ・プライス | ティー・ロウ・プライス 米国成長株式F《アメリカン・ロイヤルロード》 | 4,511 | -176.7 |
日興 | グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 | 7,090 | -117.8 |
ピクテ | ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) | 9,373 | -81.8 |
三井住友トラスト | 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 | 6,047 | -79.3 |
日興 | デジタル・トランスフォーメーション株式F《ゼロ・コンタクト》 | 4,248 | -75.1 |
騰落率(過去1年)− 騰落率トップは「フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無)」
次に、純資産総額30位までの投資信託の騰落率を見ると、1年以上の運用期間があった29本のうち27本のファンドの1年騰落率(運用成績)がプラスでした。
純資産総額30位までの投資信託のうち過去1年の騰落率が最も高かったのは、フィデリティ投信の「フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無)」で、騰落率は58.4%でした。フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無)は、米国の取引所に上場している不動産投資信託(リート)を投資対象とするファンドで、為替ヘッジは行いません。同ファンドの設定日は2003年12月9日で、信託期間は無期限です。
純資産上位30位までのファンドの中で、過去1年の騰落率が最も高かった(=運用成績が良かった)5本は次の通りです。上位3位までを米国のリートに投資するファンドが占めています。
また、4位の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と5位の「SBI・バンガード・S&P500インデックスF《SBI・バンガード・S&P500》」は、両ファンド共米国の株価指数S&P500への連動を目指すインデックスファンドです。
順位 | 運用会社 | ファンド名 | 純資産額(億円) | 騰落率(1年) |
1 | フィデリティ | フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無) | 7,264 | 58.4% |
2 | 大和 | ダイワ・US-REIT・オープン(毎月)B(ヘッジ無) | 7,261 | 57.5% |
3 | One | 新光 US-REITオープン《ゼウス》 | 5,210 | 56.6% |
4 | 三菱UFJ | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 9,488 | 44.5% |
5 | SBI | SBI・バンガード・S&P500インデックスF《SBI・バンガード・S&P500》 | 4,589 | 44.2% |
騰落率(過去5年)− 騰落率トップは「グローバルAIファンド」
また、過去5年の騰落率(年率)を見ると、純資産額上位30位までの投資信託で5年以上の運用期間があった19本全てで過去5年の騰落率(年率)がプラスでした。
過去5年の騰落率(年率)が最も高かったのは、三井住友DSアセットマネジメントの「グローバルAIファンド」で、騰落率(年率)は28.6%でした。純資産上位30位の投資信託の中で、過去5年の騰落率が最も高かったファンド5本は次の通りです。5本中2本はアライアンス・バーンスタインの「米国成長株投信」シリーズのファンドでした。
順位 | 運用会社 | ファンド名 | 純資産額(億円) | 騰落率(5年・年率) |
1 | 三井住友DS | グローバルAIファンド | 4,240 | 28.6% |
2 | ゴールドマン | netWIN GS・テクノロジー株式F B(ヘッジ無) | 8,173 | 26.1% |
3 | アライアンス | アライアンスB・米国成長株投信B(ヘッジ無) | 5,689 | 24.2% |
4 | アライアンス | アライアンスB・米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 | 17,368 | 24.0% |
5 | One | グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 | 7,329 | 23.0% |
【投資信託の純資産額ランキング(2021年12月)】
順位 | 運用会社 | ファンド名 | 純資産(億円) | 資金増減(億円) | 騰落率(1年) | 騰落率(5年・年率) |
1 | アライアンス・B | AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 | 17,368 | 1,498.5 | 42.4% | 24.0% |
2 | One | グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 | 11,549 | -54.7 | 9.6% | – |
3 | 三菱UFJ | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 9,488 | 834.6 | 44.5% | – |
4 | ピクテ | ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) | 9,373 | -81.8 | 20.9% | 7.6% |
5 | ゴールドマン | netWIN GS・テクノロジー株式F B(ヘッジ無) | 8,173 | 189.0 | 34.7% | 26.1% |
6 | One | グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 | 7,329 | -4.4 | 10.6% | 23.0% |
7 | フィデリティ | フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無) | 7,264 | 3.3 | 58.4% | 10.2% |
8 | 大和 | ダイワ・US-REIT・オープン(毎月)B(ヘッジ無) | 7,261 | -6.3 | 57.5% | 11.0% |
9 | 日興 | グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 | 7,090 | -117.8 | -17.8% |
– |
10 | One | 投資のソムリエ | 6,481 | 99.7 | 0.3% | 2.6% |
11 | アライアンス | AB米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示 | 6,196 | 149.3 | 28.6% | 22.6% |
12 | 大和 | ダイワファンドラップ 日本債券セレクト | 6,087 | 55.3 | 0.6% | 0.6% |
13 | 三井住友トラスト | 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 | 6,047 | -79.3 | 17.2% |
– |
14 | 東京海上 | 東京海上・円資産バランスF(毎月)《円奏会》 | 5,747 | -61.1 | 2.0% | 0.5% |
15 | アライアンス | アライアンスB・米国成長株投信B(ヘッジ無) | 5,689 | 481.8 | 42.9% | 24.2% |
16 | One | 新光 US-REITオープン《ゼウス》 | 5,210 | -21.9 | 56.6% | 9.0% |
17 | フィデリティ | フィデリティ・日本成長株・ファンド | 5,084 | 28.3 | 11.9% | 11.5% |
18 | フィデリティ | フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド | 4,912 | -45.5 | 20.4% | 5.4% |
19 | レオス | ひふみプラス | 4,796 | 52.4 | 3.3% | 11.9% |
20 | 楽天 | 楽天・全米株式インデックス・ファンド | 4,718 | 306.7 | 40.9% |
– |
21 | 大和 | ダイワファンドラップ 日本株式セレクト | 4,624 | 33.8 | 11.1% | 9.1% |
22 | SBI | SBI・バンガード・S&P500インデックスF《SBI・バンガード・S&P500》 | 4,589 | 371.2 | 44.2% |
– |
23 | 日興 | グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2) | 4,515 | 8.0 | 30.0% | 19.8% |
24 | Tロウ・プライス | ティー・ロウ・プライス 米国成長株式F《アメリカン・ロイヤルロード》 | 4,511 | -176.7 | 27.5% | – |
25 | 日興 | グローバル・エクスポネンシャル・イノベーションF | 4,426 | 25.2 |
– |
– |
26 | ゴールドマン | GSフューチャー・テクノロジー・リーダーズB(ヘッジ無)《nextWIN》 | 4,341 | 86.1 | 25.3% | – |
27 | 日興 | デジタル・トランスフォーメーション株式F《ゼロ・コンタクト》 | 4,248 | -75.1 | -17.0% | – |
28 | 三井住友DS | グローバルAIファンド | 4,240 | 90.2 | 21.0% | 28.6% |
29 | 三菱UFJ | サイバーセキュリティ株式オープン(ヘッジ無) | 4,154 | 167.5 | 37.6% |
– |
30 | 大和 | ダイワJ-REITオープン(毎月) | 4,018 | 27.3 | 19.0% | 5.4% |
(データ出所:投資信託事情・イボットソン)