ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)が1位を維持
投資信託事情・投信まとなびのデータによると、2019年9月末現在の運用残高で見る国内最大ファンドランキング(上位30位)(追加型株式投資信託、ETFは除く)は下表の通りでした。
ピクテ投信投資顧問が運用する「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」が運用残高第1位を維持しました。同ファンドの9月末の純資産額は前月比約8.8%増加し、約8,329.4億円になりました。同ファンドは、主に世界の高配当利回りの公益株(電力、ガス、通信関連企業)に投資に投資するファンドで、2005年2月28日に運用が開始されました。信託期間は無期限です。
また、注目されているレオス・キャピタルワークスの「ひふみプラス」は第6位を維持しました。「ひふみプラス」の9月末の純資産額(運用残高)は約5,808.7億円で、8月末から約2.8%増加しました。なお、資産形成型ファンドと呼ばれる決算回数が年1回および2回のファンドの中では、引き続き「ひふみプラス」が国内最大の投資信託です。また、つみたてNISAで購入できるファンドは、上位30位ファンドの中では、「ひふみプラス」だけでした。
分配頻度
純資産額上位30位までの投資信託の分配頻度を見ると、毎月分配型(年12回)のファンドが17本と過半数を占め、次いで年1回分配ファンドが9本、年2回分配ファンドが4本でした。
投資対象
純資産額上位30位までの投資信託の投資対象資産別の分布を見ると、外国の株式に投資するファンドが9本と最も多く、次いで外国のREIT(不動産投資信託)投資するファンドと外国の債券に投資するファンドが各々5本、日本の株式に投資するファンドが4本、アロケーション型と国内のREITに投資するファンドが各々3本、国内の債券に投資するファンドが1本でした。
上位30位までのファンドの投資対象の内訳では、引き続き海外の資産に投資するファンドが過半数を占めています。
資金増減
投資信託の人気を測るバロメーターでもある月中の資金増減(月中の設定額(販売額)から解約額を差引いた額)を見ると、純資産額上位30位までのファンドの中で資金増加額が最も大きかったのは、ピクテ投信投資顧問の運用する「ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月分配型)」で、資金増加額は377.0億円でした。
なお、2019年9月に資金増加となったのは上位30位ファンドのうち14ファンドだけでした。月間資金増加額上位5位ファンドは次の通りです。
<月間資金増加額上位5位ファンド(2019年9月)>
運用会社 | ファンド名 | 月末純資産額(億円) | 月間資金増加額(億円) |
ピクテ投信 | ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) | 8,329.4 | 377.0 |
東京海上AM | 東京海上・円資産バランスF(毎月)《円奏会》 | 6,594.0 | 186.3 |
大和投信 | ダイワJ-REITオープン(毎月) | 3,036.6 | 175.7 |
アライアンス・B | AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 | 3,071.6 | 89.9 |
大和投信 | ダイワ・US-REIT・オープン(毎月)B(ヘッジ無) | 5,757.8 | 89.1 |
一方、純資産総額上位30位ファンドの中で、月中の資金減少額が最も大きかったのは、日興アセットマネジメントの「グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2)」で、減少額は約127.5億円でした。純資産額上位30位ファンドの中で月間の資金減少額が最も大きかったファンド5本は次の通りでした。
運用会社 | ファンド名 | 月末純資産額(億円) | 月間資金減少額(億円) |
日興AM | グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2) | 3,867.1 | -127.5 |
日興AM | グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年) | 3,528.7 | -106.3 |
レオス | ひふみプラス | 5,808.7 | -58.7 |
大和投信 | ロボット・テクノロジー関連株F -ロボテック- | 2,816.6 | -54.8 |
野村AM | 野村 ファンドラップ外国債券B(ヘッジ無) | 2,599.9 | -51.4 |
騰落率(過去1年)− 騰落率トップは「J-REIT・リサーチ・オープン(毎月)」
次に、純資産総額30位までの投資信託の騰落率を見ると、過去1年の騰落率がプラスだったのは30本中20本でした。
過去1年の騰落率が最も高かったのは、8月と同じく三井住友トラストアセットマネジメントが運用する「J-REIT・リサーチ・オープン(毎月)」で、騰落率は25.5%でした。純資産上位30位までのファンドの中で、過去1年の騰落率上位5ファンドは次の通りです。5本ともリート(不動産投資信託)に投資するタイプのファンドでした。
運用会社 | ファンド名 | 純資産額(億円) | 騰落率(1年) |
三井住友トラスト | J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) | 3,831.8 | 25.5% |
大和投信 | ダイワJ-REITオープン(毎月) | 3,036.6 | 23.0% |
しんきんAM | しんきんJリートオープン(毎月) | 3,207.2 | 22.5% |
大和投信 | ダイワ米国リート・ファンド(毎月)ヘッジ無 | 2,927.5 | 15.1% |
大和投信 | ダイワ・US-REIT・オープン(毎月)B(ヘッジ無) | 5,757.8 | 15.0% |
騰落率(過去5年)− 騰落率トップは「netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無)」
また、過去5年の騰落率を見ると、純資産額上位30位までの投資信託で5年以上の運用期間があった24本については、全てのファンドの騰落率がプラスでした。
過去5年の騰落率が最も高かったのは、8月と同じくゴールドマン・サックスの「netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無)」で、騰落率は77.3%でした。なお、レオス・キャピタルワークスの「ひふみプラス」の騰落率は72.0%でした。
純資産上位30位の投資信託の中で、過去5年の騰落率が最も高かったファンド5本は次の通りです。
運用会社 | ファンド名 | 純資産額(億円) | 騰落率(5年) |
ゴールドマン・S | netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無) | 3,204.3 | 77.3% |
レオス | ひふみプラス | 5,808.7 | 72.0% |
アライアンス・B | AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 | 3,071.6 | 66.8% |
三井住友トラスト | J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) | 3,831.8 | 43.6% |
野村AM | 野村インド株投資 | 4,161.3 | 42.4% |
騰落率データの詳細については、投信まとなびの投信検索等http://www.matonavi.jp/retrieval/で詳細をご確認下さい。
【投資信託の純資産総額ランキング(2019年9月)】
順位 | 運用会社 | ファンド名 | 純資産(億円) | 資金増減(億円) | 騰落率(1年)% | 騰落率(5年)% |
1 | ピクテ投信 | ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) | 8,329.4 | 377.0 | 14.0 | 10.9 |
2 | 東京海上AM | 東京海上・円資産バランスF(毎月)《円奏会》 | 6,594.0 | 186.3 | 4.3 | 15.0 |
3 | フィデリティ投信 | フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無) | 6,586.0 | 52.5 | 12.7 | 37.7 |
4 | フィデリティ投信 | フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド | 6,087.6 | -12.3 | -0.9 | 16.9 |
5 | AM-One | 新光 US-REITオープン《ゼウス》 | 5,808.7 | -18.0 | 12.3 | 31.9 |
6 | レオス | ひふみプラス | 5,808.7 | -58.7 | -13.8 | 72.0 |
7 | 大和投信 | ダイワ・US-REIT・オープン(毎月)B(ヘッジ無) | 5,757.8 | 89.1 | 15.0 | 36.6 |
8 | 大和投信 | ダイワファンドラップ 日本債券セレクト | 5,132.4 | -43.6 | 4.0 | 8.9 |
9 | 日興AM | ラサール・グローバルREITファンド(毎月) | 4,788.1 | -9.5 | 6.5 | 22.2 |
10 | 三菱UFJ国際投信 | グローバル・ソブリン・オープン (毎月) | 4,204.3 | -38.7 | 1.9 | 3.4 |
11 | 野村AM | 野村インド株投資 | 4,161.3 | -26.9 | 4.8 | 42.4 |
12 | AM-One | グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 | 3,935.2 | 20.4 | -2.1 | – |
13 | 三井住友トラスト | 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 | 3,903.6 | 89.0 | 2.3 | – |
14 | 日興AM | 財産3分法F(不動産・債券・株式)毎月 | 3,903.3 | 11.7 | 4.5 | 17.0 |
15 | 日興AM | グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2) | 3,867.1 | -127.5 | -4.0 | – |
16 | 三井住友トラスト | J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) | 3,831.8 | -9.7 | 25.5 | 43.6 |
17 | フィデリティ投信 | フィデリティ・日本成長株・ファンド | 3,727.5 | 42.8 | -10.8 | 34.3 |
18 | 日興AM | グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年) | 3,528.7 | -106.3 | -4.0 | – |
19 | 大和投信 | ダイワファンドラップ 日本株式セレクト | 3,465.3 | 48.9 | -10.7 | 25.7 |
20 | 日興AM | スマート・ファイブ(毎月) | 3,422.5 | 41.2 | 7.0 | 16.7 |
21 | しんきんAM | しんきんJリートオープン(毎月) | 3,207.2 | 59.0 | 22.5 | 30.6 |
22 | ゴールドマン・S | netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無) | 3,204.3 | 65.0 | -1.4 | 77.3 |
23 | アライアンス・B | AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 | 3,071.6 | 89.9 | 0.0 | 66.8 |
24 | 大和投信 | ダイワJ-REITオープン(毎月) | 3,036.6 | 175.7 | 23.0 | 30.8 |
25 | 野村AM | 野村外国債券インデックス(野村一任口座) | 2,961.4 | -43.7 | 1.9 | 4.4 |
26 | さわかみ投信 | さわかみファンド | 2,935.5 | -5.6 | -11.3 | 27.2 |
27 | 大和投信 | ダイワ米国リート・ファンド(毎月)ヘッジ無 | 2,927.5 | -40.3 | 15.1 | 35.9 |
28 | 野村AM | 野村PIMCO・世界インカム戦略F A(ヘッジ有 年2) | 2,894.0 | -12.2 | 2.9 | – |
29 | 大和投信 | ロボット・テクノロジー関連株F -ロボテック- | 2,816.6 | -54.8 | -6.3 | – |
30 | 野村AM | 野村 ファンドラップ外国債券B(ヘッジ無) | 2,599.9 | -51.4 | 1.6 | 5.4 |
(データ出所:投信まとなび・投資信託事情)