投資信託事情・イボットソンのデータによると、2020年1月末現在の国内最大ファンドランキング(上位30位)(追加型株式投資信託、ETFは除く)は下表の通りでした。
ピクテ投信投資顧問が運用する「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」が運用残高第1位を維持しました。同ファンドの2020年1月末の純資産額は前月比10.4%(金額で約1,050億円)増加し、1兆1,111億円となりました。
「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」は、主に世界の高配当利回りの公益株(電力、ガス、通信関連企業)投資するファンドで、2005年2月28日に運用が開始されました。同ファンドの分配頻度は年12回(毎月)で、信託期間は無期限です。また、同ファンドの運用会社のピクテ投信投資顧問は、1805年に創設され、スイスのジュネーブに本拠地を置くピクテ・グループの運用会社です。
また、注目されているレオス・キャピタルワークスの「ひふみプラス」の2020年1月末の純資産額(運用残高)は約5,284億円で、12月の5,630億円から約6.1%減少しました。なお、資産形成型ファンドと呼ばれる決算回数が年1回および2回のファンドの中では、引き続き「ひふみプラス」が国内最大の投資信託です。また、つみたてNISAで購入できるファンドは、上位30位ファンドの中では「ひふみプラス」だけです。
分配頻度
純資産額上位30位までの投資信託の分配頻度を見ると、毎月分配型(年12回)のファンドが15本と半数を占め、次いで年1回分配ファンドが12本、年2回分配ファンドが3本でした。
投資対象
純資産額上位30位までの投資信託の投資対象資産別の分布を見ると、外国の株式に投資するファンドが9本と最も多く、次いでアロケーション型が5本、外国のREIT(不動産投資信託)投資するファンド、外国の債券に投資するファンド、日本の株式に投資するファンドが各々4本、国内のREITに投資するファンドが3本、国内の債券に投資するファンドが1本でした。
上位30位までのファンドの投資対象の内訳では、引き続き海外の資産に投資するファンドが過半数を占めています。
資金増減
投資信託の人気を測るバロメーターでもある月中の資金増減(月中の設定額(販売額)から解約額を差引いた額)を見ると、純資産額上位30位までのファンドの中で資金増加額が最も大きかったのは、2020年1月も「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」で、資金増加額は約642.63億円でした。
なお、2020年1月に資金増加となったのは上位30位ファンドのうち16ファンドだけでした。月間資金増加額上位5位ファンドは次の通りです。
<月間資金増加額上位5位ファンド(2020年1月)>
運用会社 | ファンド名 | 月末純資産額(億円) | 月間資金増加額(億円) |
ピクテ投信 | ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) | 11,112 | 642.6 |
三井住友トラスト | 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 | 5,190 | 542.5 |
日興AM | グローバル3倍3分法ファンド(1年) | 4,082 | 363.8 |
アライアンス・B | AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 | 3,947 | 223.8 |
東京海上AM | 東京海上・円資産バランスF(毎月)《円奏会》 | 7,418 | 160.1 |
一方、純資産総額上位30位ファンドの中で、月中の資金減少額が最も大きかったのは、野村アセットマネジメントの「野村インド株投資」で、減少額は約195億円でした。純資産額上位30位ファンドの中で月間の資金減少額が最も大きかったファンド5本は次の通りでした。
運用会社 | ファンド名 | 月末純資産額(億円) | 月間資金減少額(億円) |
野村AM | 野村インド株投資 | 3,748 | -195.0 |
レオス | ひふみプラス | 5,284 | -191.9 |
日興AM | グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年) | 3,058 | -134.7 |
野村AM | 野村PIMCO・世界インカム戦略F A(ヘッジ有 年2) | 2,790 | -41.2 |
三菱UFJ国際投信 | グローバル・ソブリン・オープン (毎月) | 4,077 | -37.3 |
騰落率(過去1年)− 騰落率トップは「netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無)」
次に、純資産総額30位までの投資信託の騰落率を見ると、1年以上の運用期間があった29本のファンド全ての過去1年の騰落率はプラスでした。
過去1年の騰落率が最も高かったのは、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント「netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無)」で、騰落率は32.7%でした。純資産上位30位までのファンドの中で、過去1年の騰落率上位5ファンドは次の通りです。
運用会社 | ファンド名 | 純資産額(億円) | 騰落率(1年) |
ゴールドマン・S | netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無) | 3,624 | 32.7 |
AM-One | グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 | 4,370 | 28.8 |
日興AM | グローバル3倍3分法ファンド(1年) | 4,082 | 27.3 |
三井住友トラスト | 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 | 5,190 | 26.6 |
アライアンス・B | AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 | 3,947 | 26.3 |
騰落率(過去5年)− 騰落率トップは「netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無)」
また、過去5年の騰落率(年率)を見ると、純資産額上位30位までの投資信託で5年以上の運用期間があった23本について、騰落率がプラスだったのは22本でした。
過去5年の騰落率(年率)が最も高かったのは、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントの「netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無)」で、騰落率(年率)は16.0%でした。純資産上位30位の投資信託の中で、過去5年の騰落率が最も高かったファンド5本は次の通りです。
運用会社 | ファンド名 | 純資産額(億円) | 騰落率(5年・年率) |
ゴールドマン・S | netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無) | 3,624 | 16.0 |
アライアンス・B | AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 | 3,947 | 13.3 |
レオス | ひふみプラス | 5,284 | 11.5 |
三井住友トラスト | J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) | 3,749 | 7.2 |
フィデリティ投信 | フィデリティ・日本成長株・ファンド | 3,927 | 6.8 |
投資信託の純資産総額ランキング(2020年1月)
順位 | 運用会社 | ファンド名 | 純資産(億円) | 資金増減(億円) | 騰落率(1年)% | 騰落率(5年・年率)% |
1 | ピクテ投信 | ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) | 11,112 | 642.6 | 24.0 | 4.3 |
2 | 東京海上AM | 東京海上・円資産バランスF(毎月)《円奏会》 | 7,418 | 160.1 | 4.8 | 2.2 |
3 | フィデリティ投信 | フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無) | 6,882 | 9.5 | 18.3 | 3.9 |
4 | 大和投信 | ダイワ・US-REIT・オープン(毎月)B(ヘッジ無) | 6,135 | 125.0 | 17.5 | 3.4 |
5 | フィデリティ投信 | フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド | 5,935 | -27.6 | 8.5 | 3.2 |
6 | AM-One | 新光 US-REITオープン《ゼウス》 | 5,798 | -16.6 | 18.1 | 2.9 |
7 | レオス | ひふみプラス | 5,284 | -191.9 | 12.2 | 11.5 |
8 | 三井住友トラスト | 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 | 5,190 | 542.5 | 26.6 | – |
9 | 大和投信 | ダイワファンドラップ 日本債券セレクト | 5,162 | 39.6 | 2.0 | 1.3 |
10 | 日興AM | ラサール・グローバルREITファンド(毎月) | 4,639 | -26.2 | 10.5 | 1.5 |
11 | AM-One | グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 | 4,370 | -18.0 | 28.8 | – |
12 | 日興AM | グローバル3倍3分法ファンド(1年) | 4,082 | 363.8 | 27.3 | – |
13 | 三菱UFJ国際投信 | グローバル・ソブリン・オープン (毎月) | 4,077 | -37.3 | 5.8 | -0.4 |
14 | 日興AM | 財産3分法F(不動産・債券・株式)毎月 | 4,038 | 51.8 | 12.7 | 4.0 |
15 | アライアンス・B | AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 | 3,947 | 223.8 | 26.3 | 13.3 |
16 | フィデリティ投信 | フィデリティ・日本成長株・ファンド | 3,927 | -18.5 | 18.9 | 6.8 |
17 | 三井住友トラスト | J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) | 3,749 | 48.0 | 24.5 | 7.2 |
18 | 野村AM | 野村インド株投資 | 3,748 | -195.0 | 14.9 | 3.6 |
19 | ゴールドマン・S | netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無) | 3,624 | -31.8 | 32.7 | 16.0 |
20 | 日興AM | スマート・ファイブ(毎月) | 3,597 | 43.1 | 7.5 | 2.5 |
21 | 大和投信 | ダイワファンドラップ 日本株式セレクト | 3,556 | -7.1 | 11.0 | 5.2 |
22 | 大和投信 | ダイワJ-REITオープン(毎月) | 3,489 | 159.4 | 23.1 | 6.3 |
23 | 日興AM | グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2) | 3,229 | 35.7 | 23.5 | – |
24 | しんきんAM | しんきんJリートオープン(毎月) | 3,180 | 21.0 | 22.3 | 6.1 |
25 | 日興AM | グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年) | 3,058 | -134.7 | 23.8 | – |
26 | 東京海上AM | 東京海上・円資産バランスF(年1)《円奏会》 | 3,018 | 147.5 | 4.8 | 2.2 |
27 | さわかみ投信 | さわかみファンド | 3,016 | -11.5 | 7.2 | 4.3 |
28 | 日興AM | グローバル・プロスペクティブ・ファンド | 2,927 | 61.7 | – | – |
29 | 野村AM | 野村PIMCO・世界インカム戦略F A(ヘッジ有 年2) | 2,790 | -41.2 | 3.8 | – |
30 | 野村AM | 野村外国債券インデックス(野村一任口座) | 2,789 | -34.8 | 6.6 | 0.1 |
(データ出所:投資信託事情・イボットソン)