ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月)が1位を維持、残高は1.1兆円超
投資信託事情・イボットソンのデータによると、2020年2月末現在の運用残高(純資産総額)で見る国内最大ファンドランキング(上位30位)(追加型株式投資信託、ETFは除く)は下表の通りでした。
ピクテ投信投資顧問が運用する「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」が運用残高第1位を維持しました。同ファンドの2020年2月末の純資産額は前月比1.0%(金額で約113億円)増加し、1兆1,224億円となりました。
「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」は、主に世界の高配当利回りの公益株(電力、ガス、通信関連企業)に投資に投資するファンドで、2005年2月28日に運用が開始されました。同ファンドの分配頻度は年12回(毎月)で、信託期間は無期限です。ファンドの運用会社のピクテ投信投資顧問は、1805年に創設され、スイスのジュネーブに本拠地を置くピクテ・グループの運用会社です。
また、注目されているレオス・キャピタルワークスの「ひふみプラス」の2月末の純資産額(運用残高)は約4,720億円で、1月末の約5,284億円から10.7%減少しました。なお、つみたてNISAで購入できるのは、上位30位ファンドの中では「ひふみプラス」だけです。
純資産上位ファンドの分配頻度
純資産額上位30位までの投資信託の分配頻度を見ると、毎月分配型(年12回)のファンドが15本と半数を占め、次いで年1回分配ファンドが12本、年2回分配ファンドが3本でした。
純資産上位ファンドの投資対象
純資産額上位30位までの投資信託の投資対象資産別の分布を見ると、外国の株式に投資するファンドが9本と最も多く、次いでアロケーション型が5本、外国のREIT(不動産投資信託)投資するファンド、外国の債券に投資するファンド、日本の株式に投資するファンドが各々4本、国内のREITに投資するファンドが3本、国内の債券に投資するファンドが1本でした。引き続き海外の資産に投資するファンドが過半数を占める結果となりました。
月間の資金増減
投資信託の人気を測るバロメーターでもある月中の資金増減(月中の設定額(販売額)から解約額を差引いた額)を見ると、純資産額上位30位までのファンドの中で資金増加額が最も大きかったのは、2020年2月も「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」で、資金増加額は約317.58億円でした。
なお、2020年2月に資金増加となったのは上位30位ファンドのうち17ファンドだけでした。月間資金増加額上位5位ファンドは次の通りです。
<月間資金増加額上位5位ファンド(2020年2月)>
運用会社 | ファンド名 | 月末純資産額(億円) | 月間資金増加額(億円) |
ピクテ投信 | ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) | 11,224 | 317.6 |
日興AM | グローバル3倍3分法ファンド(1年) | 4,148 | 290.5 |
アライアンス・B | AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 | 3,882 | 261.3 |
三井住友トラスト | 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 | 5,112 | 161.6 |
日興AM | グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 | 3,029 | 154.2 |
一方、純資産総額上位30位ファンドの中で、月中の資金減少額が最も大きかったのは、野村アセットマネジメントの「野村インド株投資」で、減少額は約255億円でした。純資産額上位30位ファンドの中で月間の資金減少額が最も大きかったファンド5本は次の通りでした。
運用会社 | ファンド名 | 月末純資産額(億円) | 月間資金減少額(億円) |
野村AM | 野村インド株投資 | 3,419 | -254.9 |
日興AM | ラサール・グローバルREITファンド(毎月) | 4,168 | -181.1 |
野村AM | 野村外国債券インデックス(野村一任口座) | 2,673 | -140.6 |
日興AM | グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年) | 2,764 | -83.0 |
野村AM | 野村PIMCO・世界インカム戦略F A(ヘッジ有 年2) | 2,728 | -56.0 |
騰落率(過去1年)− 騰落率トップは「ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月)」
次に、純資産総額30位までの投資信託の騰落率を見ると、1年以上の運用期間があった29本のファンドのうち騰落率がプラスだったのは26本でした。
純資産総額30位までの投資信託のうち過去1年の騰落率が最も高かったのは、ピクテ投信投資顧問の「ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月)」で、騰落率は17.2%でした。純資産上位30位までのファンドの中で、過去1年の騰落率上位5ファンドは次の通りです。
運用会社 | ファンド名 | 純資産額(億円) | 騰落率(1年) |
ピクテ投信 | ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) | 11,224 | 17.2% |
日興AM | グローバル3倍3分法ファンド(1年) | 4,148 | 16.9% |
ゴールドマン・S | netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無) | 3,399 | 14.1% |
三井住友トラスト | J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) | 3,416 | 13.5% |
AM-One | グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 | 4,144 | 12.9% |
騰落率(過去5年)− 騰落率トップは「netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無)」
また、過去5年の騰落率(年率)を見ると、純資産額上位30位までの投資信託で5年以上の運用期間があった23本について、騰落率がプラスだったのは22本でした。
過去5年の騰落率(年率)が最も高かったのは、ゴールドマン・サックスの「netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無)」で、騰落率(年率)は12.1%でした。純資産上位30位の投資信託の中で、過去5年の騰落率が最も高かったファンド5本は次の通りです。
運用会社 | ファンド名 | 純資産額(億円) | 騰落率(5年・年率) |
ゴールドマン・S | netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無) | 3,399 | 12.1% |
アライアンス・B | AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 | 3,882 | 10.3% |
レオス | ひふみプラス | 4,720 | 8.1% |
三井住友トラスト | J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) | 3,416 | 5.0% |
大和投信 | ダイワJ-REITオープン(毎月) | 3,245 | 4.2% |
投資信託の純資産総額ランキング(2020年2月)
順位 | 運用会社 | ファンド名 | 純資産(億円) | 資金増減(億円) | 騰落率(1年)% | 騰落率(5年・年率)% |
1 | ピクテ投信 | ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) | 11,224 | 317.6 | 17.2 | 4.1 |
2 | 東京海上AM | 東京海上・円資産バランスF(毎月)《円奏会》 | 7,348 | 125.3 | 1.9 | 1.7 |
3 | フィデリティ投信 | フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無) | 6,385 | -7.1 | 7.1 | 3.8 |
4 | フィデリティ投信 | フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド | 5,813 | -1.9 | 3.2 | 2.4 |
5 | 大和投信 | ダイワ・US-REIT・オープン(毎月)B(ヘッジ無) | 5,748 | 79.0 | 6.6 | 3.2 |
6 | AM-One | 新光 US-REITオープン《ゼウス》 | 5,391 | -46.7 | 8.4 | 2.9 |
7 | 大和投信 | ダイワファンドラップ 日本債券セレクト | 5,221 | 42.1 | 2.0 | 1.5 |
8 | 三井住友トラスト | 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 | 5,112 | 161.6 | 8.4 | – |
9 | レオス | ひふみプラス | 4,720 | -39.3 | -3.6 | 8.1 |
10 | 日興AM | ラサール・グローバルREITファンド(毎月) | 4,168 | -181.1 | 2.0 | 0.9 |
11 | 日興AM | グローバル3倍3分法ファンド(1年) | 4,148 | 290.5 | 16.9 | – |
12 | AM-One | グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 | 4,144 | 20.0 | 12.9 | – |
13 | 三菱UFJ国際投信 | グローバル・ソブリン・オープン (毎月) | 4,068 | -39.2 | 5.3 | -0.3 |
14 | アライアンス・B | AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 | 3,882 | 261.3 | 10.8 | 10.3 |
15 | 日興AM | 財産3分法F(不動産・債券・株式)毎月 | 3,872 | 40.9 | 6.2 | 2.6 |
16 | 日興AM | スマート・ファイブ(毎月) | 3,618 | 31.2 | 6.0 | 2.8 |
17 | フィデリティ投信 | フィデリティ・日本成長株・ファンド | 3,476 | -39.0 | 2.1 | 3.2 |
18 | 野村AM | 野村インド株投資 | 3,419 | -254.9 | 9.5 | 3.2 |
19 | 三井住友トラスト | J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) | 3,416 | 10.2 | 13.5 | 5.0 |
20 | ゴールドマン・S | netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無) | 3,399 | 39.8 | 14.1 | 12.1 |
21 | 大和投信 | ダイワファンドラップ 日本株式セレクト | 3,362 | 25.8 | -0.4 | 2.9 |
22 | 大和投信 | ダイワJ-REITオープン(毎月) | 3,245 | 114.2 | 12.1 | 4.2 |
23 | 東京海上AM | 東京海上・円資産バランスF(年1)《円奏会》 | 3,042 | 96.8 | 1.9 | 1.7 |
24 | 日興AM | グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 | 3,029 | 154.2 | – | – |
25 | 日興AM | グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2) | 3,008 | 9.6 | 7.3 | – |
26 | しんきんAM | しんきんJリートオープン(毎月) | 2,874 | -19.9 | 11.8 | 4.0 |
27 | 日興AM | グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年) | 2,764 | -83.0 | 7.5 | – |
28 | 野村AM | 野村PIMCO・世界インカム戦略F A(ヘッジ有 年2) | 2,728 | -56.0 | 2.9 | – |
29 | さわかみ投信 | さわかみファンド | 2,711 | -9.3 | -5.0 | 1.1 |
30 | 野村AM | 野村外国債券インデックス(野村一任口座) | 2,673 | -140.6 | 6.4 | 0.3 |
(データ出所:投資信託事情・イボットソン)