ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月)が1位を維持、残高は9,526億円
投資信託事情・イボットソンのデータによると、2020年4月末現在の運用残高で見る投資信託の国内最大ファンド・ランキング(上位30位)(追加型株式投資信託、ETFは除く)は下表の通りでした。
ピクテ投信投資顧問が運用する「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」が運用残高第1位を維持しました。同ファンドの2020年4月末の純資産額は前月末に比べ約4.5%(金額で約407億円)増加し、9,526億円となりました。
「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」は、主に世界の高配当利回りの公益株(電力、ガス、通信関連企業)に投資に投資するファンドです。設定日は2005年2月で、15年以上運用が継続しています。同ファンドの分配頻度は年12回(毎月)で、信託期間は無期限です。ファンドの運用会社のピクテ投信投資顧問は、1805年に創設され、スイスのジュネーブに本拠地を置くピクテ・グループの運用会社です。
また、注目されているレオス・キャピタルワークスの「ひふみプラス」の4月末の純資産額(運用残高)は前月比7%(金額で324億円)増加し4,970億円となり、3月の8位から5位に順位を上げました。なお、つみたてNISAで購入できるファンドは、上位30位ファンドの中では、「ひふみプラス」だけです。
分配頻度
純資産額上位30位までの投資信託の分配頻度を見ると、毎月分配型(年12回)のファンドが14本、年1回分配ファンドが14本、年2回分配ファンドが2本でした。毎月分配型の割合は減少傾向にあります。
投資対象
純資産額上位30位までの投資信託の投資対象資産別の分布を見ると、外国の株式に投資するファンドが10本と最も多く、次いでアロケーション型が5本、外国のREIT(不動産投資信託)に投資するファンドと日本の株式に投資するファンドが各々4本、外国の債券に投資するファンドが3本、国内のREITに投資するファンドと国内の債券に投資するファンドが各々2本でした。
上位30位までのファンドの投資対象の内訳では、引き続き海外の資産に投資するファンドが過半数を占めています。
月間の資金増減
投資信託の人気を測るバロメーターでもある月中の資金増減(月中の設定額(販売額)から解約額を差引いた額)を見ると、純資産額上位30位までのファンドの中で資金増加額が最も大きかったのは、3月と同じティー・ロウ・プライス・ジャパンが運用する「ティー・ロウ・プライス 米国成長株式ファンド《アメリカン・ロイヤルロード》」で、資金増加額は約147.75億円でした。同ファンドは、主として米国の株式の中で、成長性が高いと判断される企業を中心に投資を行うファンドで、2019年12月27日に設定されました。
なお、2020年4月に資金増加となったのは上位30位ファンドのうち18ファンドだけでした。月間資金増加額上位5位ファンドは次の通りです。
<月間資金増加額上位5位ファンド(2020年4月)>
運用会社 | ファンド名 | 月末純資産額(億円) | 月間資金増加額(億円) |
Tロウ・プライス | ティー・ロウ・プライス 米国成長株式F《アメリカン・ロイヤルロード》 | 2,757 | 147.8 |
ピクテ投信 | ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) | 9,526 | 115.4 |
ゴールドマン・S | netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無) | 3,930 | 106.1 |
大和AM | ダイワJ-REITオープン(毎月) | 2,627 | 94.5 |
日興AM | グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 | 3,357 | 91.3 |
一方、純資産総額上位30位ファンドの中で、月中の資金減少額が最も大きかったのは、大和アセットマネジメントの「ダイワファンドラップ 日本債券セレクト」で、減少額は約224.9億円でした。純資産額上位30位ファンドの中で月間の資金減少額が最も大きかったファンド5本は次の通りでした。
運用会社 | ファンド名 | 月末純資産額(億円) | 月間資金減少額(億円) |
大和AM | ダイワファンドラップ 日本債券セレクト | 4,873 | -224.9 |
東京海上AM | 東京海上・円資産バランスF(毎月)《円奏会》 | 6,739 | -49.3 |
三菱UFJ国際投信 | グローバル・ソブリン・オープン(毎月) | 3,876 | -24.0 |
三井住友DS | 日興FW・日本債券ファンド | 2,506 | -21.9 |
野村AM | 野村外国債券インデックス(野村一任口座) | 2,503 | -18.6 |
騰落率(過去1年)− 騰落率トップは「AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示」
次に、純資産総額30位までの投資信託の騰落率を見ると、1年以上の運用期間があった28本のファンドのうち騰落率がプラスだったのは8本だけでした。
純資産総額30位までの投資信託のうち過去1年の騰落率が最も高かったのは、アライアンス・バーンスタインの「AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示」で、騰落率は8.0%でした。純資産上位30位までのファンドの中で、過去1年の騰落率が最も高かった5本は次の通りです。
運用会社 | ファンド名 | 純資産額(億円) | 騰落率(1年) |
アライアンス・B | AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 | 4,206 | 8.0 % |
ゴールドマン・S | netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無) | 3,930 | 7.8 % |
AM-One | グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 | 4,267 | 5.0 % |
野村AM | 野村外国債券インデックス(野村一任口座) | 2,503 | 3.4 % |
日興AM | スマート・ファイブ(毎月) | 3,421 | 1.9 % |
騰落率(過去5年)− 騰落率トップは「netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無)」
また、過去5年の騰落率(年率)を見ると、純資産額上位30位までの投資信託で5年以上の運用期間があった22本について、過去5年の騰落率(年率)がプラスだったのは14本だけでした。
過去5年の騰落率(年率)が最も高かったのは、ゴールドマン・サックスの「netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無)」で、騰落率(年率)は13.4%でした。純資産上位30位の投資信託の中で、過去5年の騰落率が最も高かったファンド5本は次の通りです。
運用会社 | ファンド名 | 純資産額(億円) | 騰落率(5年・年率) |
ゴールドマン・S | netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無) | 3,930 | 13.4 % |
アライアンス・B | AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 | 4,206 | 11.1 % |
レオス | ひふみプラス | 4,970 | 8.2 % |
フィデリティ投信 | フィデリティ・日本成長株・ファンド | 3,486 | 2.4 % |
日興AM | スマート・ファイブ(毎月) | 3,421 | 1.8 % |
投資信託の純資産総額ランキング(2020年4月)
順位 | 運用会社 | ファンド名 | 純資産(億円) | 資金増減(億円) | 騰落率(1年)% | 騰落率(5年・年率)% |
1 | ピクテ | ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) | 9,526 | 115.4 | -3.0 | 0.3 |
2 | 東京海上 | 東京海上・円資産バランスF(毎月)《円奏会》 | 6,739 | -49.3 | -3.9 | 0.5 |
3 | フィデリティ投信 | フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無) | 5,316 | 37.3 | -13.3 | 0.7 |
4 | 三井住友トラスト | 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 | 5,302 | 82.3 | -0.1 | – |
5 | レオス | ひふみプラス | 4,970 | 18.6 | -3.1 | 8.2 |
6 | フィデリティ | フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド | 4,966 | 7.8 | -11.6 | -0.2 |
7 | 大和 | ダイワファンドラップ 日本債券セレクト | 4,873 | -224.9 | 0.2 | 1.1 |
8 | 大和 | ダイワ・US-REIT・オープン(毎月)B(ヘッジ無) | 4,871 | 66.8 | -14.2 | 0.2 |
9 | AM-One | 新光 US-REITオープン《ゼウス》 | 4,479 | 8.1 | -13.1 | -0.1 |
10 | AM-One | グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 | 4,267 | 40.6 | 5.0 | – |
11 | アライアンス | AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 | 4,206 | 34.1 | 8.0 | 11.1 |
12 | ゴールドマン | netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無) | 3,930 | 106.1 | 7.8 | 13.4 |
13 | 三菱UFJ | グローバル・ソブリン・オープン (毎月) | 3,876 | -24.0 | 1.6 | -0.8 |
14 | 日興 | グローバル3倍3分法ファンド(1年) | 3,698 | 19.0 | -2.8 | – |
15 | 日興 | 財産3分法F(不動産・債券・株式)毎月 | 3,489 | 8.2 | -4.6 | 0.5 |
16 | フィデリティ | フィデリティ・日本成長株・ファンド | 3,486 | -3.3 | -2.2 | 2.4 |
17 | 日興 | スマート・ファイブ(毎月) | 3,421 | -16.3 | 1.9 | 1.8 |
18 | 日興 | グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 | 3,357 | 91.3 | – | – |
19 | 大和 | ダイワファンドラップ 日本株式セレクト | 3,203 | 16.9 | -7.6 | 0.6 |
20 | 日興 | ラサール・グローバルREITファンド(毎月) | 3,198 | -2.9 | -21.5 | -3.3 |
21 | 日興 | グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2) | 3,030 | 11.8 | -1.6 | – |
22 | 三井住友トラスト | J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) | 2,870 | 89.6 | -11.8 | 0.8 |
23 | 東京海上 | 東京海上・円資産バランスF(年1)《円奏会》 | 2,859 | -4.4 | -3.9 | 0.5 |
24 | Tロウ・プライス | ティー・ロウ・プライス 米国成長株式F《アメリカン・ロイヤルロード》 | 2,757 | 147.8 | – | – |
25 | 日興 | グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年) | 2,701 | -9.4 | -1.4 | – |
26 | さわかみ | さわかみファンド | 2,655 | -3.9 | -10.4 | -0.2 |
27 | 大和 | ダイワJ-REITオープン(毎月) | 2,627 | 94.5 | -14.1 | -0.5 |
28 | 三井住友DS | 日興FW・日本債券ファンド | 2,506 | -21.9 | 0.6 | – |
29 | 野村 | 野村外国債券インデックス(野村一任口座) | 2,503 | -18.6 | 3.4 | -0.0 |
30 | 野村 | 野村インド株投資 | 2,499 | -17.2 | -23.5 | -0.9 |
(データ出所:投資信託事情・イボットソン)