ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月)が1位を維持、運用残高は9,684億円
投資信託事情・イボットソンのデータによると、2020年5月末現在の運用残高(純資産額)で見る投資信託の国内最大ファンド・ランキング(上位30位)(追加型株式投資信託、ETFは除く)は下表の通りでした。
ピクテ投信投資顧問が運用する「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」が運用残高第1位を維持しました。同ファンドの2020年5月末の純資産額は前月末に比べ約1.7%(金額で約158億円)増加し9,684億円となりました。
「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」は、主に世界の高配当利回りの公益株(電力、ガス、通信関連企業)に投資するファンドです。設定日は2005年2月で、15年以上運用が継続しています。同ファンドの分配頻度は年12回(毎月)で、信託期間は無期限です。ファンドの運用会社のピクテ投信投資顧問は、1805年に創設され、スイスのジュネーブに本拠地を置くピクテ・グループの運用会社です。
また、注目されているレオス・キャピタルワークスの「ひふみプラス」の5月末の純資産額(運用残高)は前月比8.2%(金額で407億円)増加し5,377億円となりました。順位では、4月の5位から4位にランクアップしました。なお、つみたてNISAで購入できるファンドは、上位30位ファンドの中では、「ひふみプラス」だけです。
分配頻度
純資産額上位30位までの投資信託の分配頻度を見ると、毎月分配型(年12回)のファンドが14本、年1回分配ファンドが13本、年2回分配ファンドが3本でした。毎月分配型の割合は減少傾向にあります。
投資対象
純資産額上位30位までの投資信託の投資対象資産別の分布を見ると、外国の株式に投資するファンドが9本と最も多く、次いでアロケーション型が5本、外国のREIT(不動産投資信託)に投資するファンド、外国の債券に投資するファンド、そして日本の株式に投資するファンドが各々4本、国内のREITに投資するファンドと国内の債券に投資するファンドが各々2本でした。
上位30位までのファンドの投資対象の内訳では、引き続き海外の資産に投資するファンドが過半数を占めています。
資金増減
投資信託の人気を測るバロメーターでもある月中の資金増減(月中の設定額(販売額)から解約額を差引いた額)を見ると、純資産額上位30位までのファンドの中で資金増加額が最も大きかったのは、3月、4月と同じくティー・ロウ・プライス・ジャパンの運用する「ティー・ロウ・プライス 米国成長株式ファンド《アメリカン・ロイヤルロード》」で、資金増加額は約206.3億円でした。同ファンドは、主として米国の株式の中で、成長性が高いと判断される企業を中心に投資を行うファンドで、2019年12月27日に設定されました。
なお、2020年4月に資金増加となったのは上位30位ファンドのうち21ファンドでした。月間資金増加額上位5位ファンドは次の通りです。
<月間資金増加額上位5位ファンド(2020年5月)>
運用会社 | ファンド名 | 月末純資産額(億円) | 月間資金増加額(億円) |
Tロウ・プライス | ティー・ロウ・プライス 米国成長株式F《アメリカン・ロイヤルロード》 | 3,156 | 206.3 |
日興AM | グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 | 3,922 | 202.6 |
ゴールドマン・S | netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無) | 4,358 | 154.0 |
ピクテ投信 | ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) | 9,684 | 117.8 |
大和AM | ダイワJ-REITオープン(毎月) | 2,893 | 111.7 |
一方、純資産総額上位30位ファンドの中で、月中の資金減少額が最も大きかったのは、野村アセットマネジメントの「野村外国債券インデックス(野村一任口座)」で、減少額は約36.1億円でした。純資産額上位30位ファンドの中で月間の資金減少額が最も大きかったファンド5本は次の通りでした。
運用会社 | ファンド名 | 月末純資産額(億円) | 月間資金減少額(億円) |
野村AM | 野村外国債券インデックス(野村一任口座) | 2,496 | -36.1 |
野村AM | 野村PIMCO・世界インカム戦略F A(ヘッジ有 年2) | 2,473 | -27.0 |
日興AM | グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年) | 2,856 | -21.6 |
大和AM | ダイワファンドラップ 日本債券セレクト | 4,842 | -18.5 |
三菱UFJ国際投信 | グローバル・ソブリン・オープン (毎月) | 3,918 | -11.2 |
騰落率(過去1年)− 騰落率トップは「AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示」
次に、純資産総額30位までの投資信託の騰落率を見ると、1年以上の運用期間があった28本のファンドのうち騰落率がプラスだったのは15本でした。
純資産総額30位までの投資信託のうち過去1年の騰落率が最も高かったのは、アライアンス・バーンスタインの「AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示」で、騰落率は+24.5%でした。純資産上位30位までのファンドの中で、過去1年の騰落率が最も高かった5本は次の通りです。
運用会社 | ファンド名 | 純資産額(億円) | 騰落率(1年) |
アライアンス・B | AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 | 4,572 | 24.5% |
ゴールドマン・S | netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無) | 4,358 | 24.0% |
三井住友トラスト | 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 | 5,760 | 19.5% |
日興AM | グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年) | 2,856 | 18.9% |
日興AM | グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2) | 3,245 | 18.7% |
騰落率(過去5年)− 騰落率トップは「netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無)」
また、過去5年の騰落率(年率)を見ると、純資産額上位30位までの投資信託で5年以上の運用期間があった21本について、過去5年の騰落率(年率)がプラスだったのは16本だけでした。
過去5年の騰落率(年率)が最も高かったのは、ゴールドマン・サックスの「netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無)」で、騰落率(年率)は14.0%でした。純資産上位30位の投資信託の中で、過去5年の騰落率が最も高かったファンド5本は次の通りです。
運用会社 | ファンド名 | 純資産額(億円) | 騰落率(5年・年率) |
ゴールドマン・S | netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無) | 4,358 | 14.0% |
アライアンス・B | AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 | 4,572 | 11.6% |
レオス | ひふみプラス | 5,377 | 9.1% |
フィデリティ投信 | フィデリティ・日本成長株・ファンド | 3,786 | 2.8% |
三井住友トラスト | J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) | 3,147 | 2.1% |
投資信託の純資産総額ランキング(2020年5月)
順位 | 運用会社 | ファンド名 | 純資産(億円) | 資金増減(億円) | 騰落率(1年) | 騰落率(5年・年率) |
1 | ピクテ | ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) | 9,684 | 117.8 | -0.2% | 0.1% |
2 | 東京海上 | 東京海上・円資産バランスF(毎月)《円奏会》 | 6,741 | 6.0 | -3.7% | 0.6% |
3 | 三井住友トラスト | 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 | 5,760 | 40.9 | 19.5% |
– |
4 | レオス | ひふみプラス | 5,377 | -2.4 | 11.5% | 9.1% |
5 | フィデリティ | フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無) | 5,370 | 41.5 | -10.1% | 0.4% |
6 | フィデリティ | フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド | 5,190 | 20.8 | -3.8% | -0.1% |
7 | 大和 | ダイワ・US-REIT・オープン(毎月)B(ヘッジ無) | 4,957 | 76.5 | -10.9% | 0.0% |
8 | 大和 | ダイワファンドラップ 日本債券セレクト | 4,842 | -18.5 | -0.6% | 1.2% |
9 | AM-One | グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 | 4,628 | 24.8 | 18.5% |
– |
10 | アライアンス | AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 | 4,572 | 74.1 | 24.5% | 11.6% |
11 | AM-One | 新光 US-REITオープン《ゼウス》 | 4,550 | 19.7 | -9.5% | -0.2% |
12 | ゴールドマン | netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無) | 4,358 | 154.0 | 24.0% | 14.0% |
13 | 日興 | グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 | 3,922 | 202.6 | – | – |
14 | 三菱UFJ | グローバル・ソブリン・オープン (毎月) | 3,918 | -11.2 | 3.8% | -0.8% |
15 | 日興 | グローバル3倍3分法ファンド(1年) | 3,851 | -6.6 | 3.2% |
– |
16 | フィデリティ | フィデリティ・日本成長株・ファンド | 3,786 | 27.9 | 12.5% | 2.8% |
17 | 日興 | 財産3分法F(不動産・債券・株式)毎月 | 3,667 | 20.4 | 2.8% | 1.2% |
18 | 大和 | ダイワファンドラップ 日本株式セレクト | 3,493 | -5.5 | 7.4% | 1.8% |
19 | 日興 | スマート・ファイブ(毎月) | 3,433 | 9.5 | 2.7% | 1.8% |
20 | 日興 | グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2) | 3,245 | 15.2 | 18.7% |
– |
21 | 日興 | ラサール・グローバルREITファンド(毎月) | 3,232 | 2.8 | -17.1% | -3.4% |
22 | Tロウ | ティー・ロウ・プライス 米国成長株式F《アメリカン・ロイヤルロード》 | 3,156 | 206.3 | – | – |
23 | 三井住友トラスト | J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) | 3,147 | 86.6 | -6.1% | 2.1% |
24 | 大和 | ダイワJ-REITオープン(毎月) | 2,893 | 111.7 | -8.6% | 1.2% |
25 | 東京海上 | 東京海上・円資産バランスF(年1)《円奏会》 | 2,877 | 10.9 | -3.7% | 0.6% |
26 | 日興 | グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年) | 2,856 | -21.6 | 18.9% |
– |
27 | さわかみ | さわかみファンド | 2,841 | 1.9 | 5.2% | 0.2% |
28 | 野村 | 野村外国債券インデックス(野村一任口座) | 2,496 | -36.1 | 5.7% | -0.1% |
29 | 三井住友DS | 日興FW・日本債券ファンド | 2,487 | -10.8 | -0.4% | – |
30 | 野村 | 野村PIMCO・世界インカム戦略F A(ヘッジ有 年2) | 2,473 | -27.0 | -2.8% | – |
(データ出所:投資信託事情・イボットソン)