投資信託の運用残高ランキング(2020年7月)ー最大ファンドはピクテのグロイン


ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月)が1位を維持、運用残高は9,970億円

投資信託事情・イボットソンのデータによると、2020年7月末現在の運用残高(純資産額)で見る投資信託の国内最大ファンド・ランキング(上位30位)(追加型株式投資信託ETFは除く)は下表の通りでした。

ピクテ投信投資顧問が運用する「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」が運用残高第1位を維持しました。同ファンドの2020年7月末の純資産額は前月末に比べ約4.4%(金額で約423億円)増加し9,970億円となりました。

「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」は、主に世界の高配当利回りの公益株(電力、ガス、通信関連企業)に投資するファンドです。設定日は2005年2月で、15年以上運用が継続しています。同ファンドの分配頻度は年12回(毎月)で、信託期間は無期限です。ファンドの運用会社のピクテ投信投資顧問は、1805年に創設され、スイスのジュネーブに本拠地を置くピクテ・グループの運用会社です。

また、注目されているレオス・キャピタルワークスの「ひふみプラス」の7月末の純資産額(運用残高)は前月比6.2%(金額で320億円)減少し4,864億円となりました。ひふみプラスは、主に日本の成長企業に投資するアクティブ運用の投資信託です。なお、つみたてNISAで購入できるファンドは、上位30位ファンドの中では、「ひふみプラス」だけです。また、ひふみプラスは過去5年の騰落率が8.1%(年率)と、純資産上位30ファンドの中で第3位の運用成績を誇っています。

 

分配頻度

純資産額上位30位までの投資信託の分配頻度を見ると、毎月分配型(年12回)のファンドが13本、年1回分配ファンドが15本、年2回分配ファンドが2本でした。

投資対象

投資対象

純資産額上位30位までの投資信託の投資対象資産別の分布を見ると、外国の株式に投資するファンドが11本と最も多く、次いでアロケーション型が5本、外国のREIT不動産投資信託)に投資するファンドと日本の株式に投資するファンドが各々4本、外国の債券、国内のREIT、日本の債券に投資するファンドが各々2本でした。上位30位までのファンドの投資対象の内訳では、引き続き海外の資産に投資するファンドが過半数を占めています。

投資対象

 

資金増減

投資信託の人気を測るバロメーターでもある月中の資金増減(月中の設定額(販売額)から解約額を差引いた額)を見ると、純資産額上位30位までのファンドの中で資金増加額が最も大きかったのは、アセットマネジメントOneが2020年7月20日に設定した「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》」で、資金増加額は約4,095億円でした。同ファンドは、日本や新興国を含む世界の株式の中から、持続可能な競争優位性を持ち、高い利益成長が期待される企業のうち、市場価格が理論価格より割安かつESG評価の観点から企業価値の向上が期待できる銘柄を選んでファンドを構築します。信託期間は2030年7月までで、販売会社はみずほ銀行、みずほ証券、みずほ信託銀行です。

なお、2020年7月に資金増加となったのは上位30位ファンドのうち14ファンドでした。月間資金増加額上位5位ファンドは次の通りです。

 

<月間資金増加額上位5位ファンド(2020年7月)>

運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 月間資金増加額(億円)
AM-One グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 3,926 4,095.0
アライアンス・B AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 5,181 276.2
ゴールドマン・S netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無) 5,012 193.1
大和AM ダイワ・US-REIT・オープン(毎月)B(ヘッジ無) 5,208 115.7
大和AM ダイワJ-REITオープン(毎月) 2,982 99.4

 

一方、純資産総額上位30位ファンドの中で、月中の資金減少額が最も大きかったのは、レオス・キャピタルワークスの「ひふみプラス」で、減少額は約247億円でした。純資産額上位30位ファンドの中で月間の資金減少額が最も大きかったファンド5本は次の通りでした。

運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 月間資金減少額(億円)
レオス ひふみプラス 4,864 -247.4
三井住友トラスト 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 5,994 -229.5
日興AM グローバル3倍3分法ファンド(1年) 3,817 -160.2
日興AM グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年) 2,849 -110.3
日興AM グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 4,847 -56.6

 

騰落率(過去1年)− 騰落率トップは「グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》」

次に、純資産総額30位までの投資信託の騰落率を見ると、1年以上の運用期間があった28本のファンドのうち騰落率がプラスだったのは13本でした。

純資産総額30位までの投資信託のうち過去1年の騰落率が最も高かったのは、日興アセットマネジメントの「グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》」で、騰落率は+51.2%でした。同ファンドは、世界の上場株式の中から、破壊的イノベーションを起こし得るビジネスを行なう企業の株式を投資対象とするファンドで、2019年6月に設定されました。

純資産上位30位までのファンドの中で、過去1年の騰落率が最も高かった5本は次の通りです。

運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(1年)
日興AM グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 4,847 51.2%
AM-One グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 5,184 27.5%
ゴールドマン・S netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無) 5,012 24.2%
三井住友トラスト 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 5,994 22.1%
アライアンス・B AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 5,181 22.1%

 

騰落率(過去5年)− 騰落率トップは「netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無)」

また、過去5年の騰落率(年率)を見ると、純資産額上位30位までの投資信託で5年以上の運用期間があった21本について、過去5年の騰落率(年率)がプラスだったのは18本でした。

過去5年の騰落率(年率)が最も高かったのは、ゴールドマン・サックスの「netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無)」で、騰落率(年率)は15.2%でした。純資産上位30位の投資信託の中で、過去5年の騰落率が最も高かったファンド5本は次の通りです。

運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(5年・年率)
ゴールドマン・S netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無) 5,012 15.2%
アライアンス・B AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 5,181 12.3%
レオス ひふみプラス 4,864 8.1%
フィデリティ投信 フィデリティ・日本成長株・ファンド 3,781 3.5%
三井住友トラスト J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) 3,323 3.3%

 

投資信託の純資産総額ランキング(上位30位)(2020年7月)

順位 運用会社 ファンド名 純資産(億円) 資金増減(億円) 騰落率(1年) 騰落率(5年・年率)
1 ピクテ投信 ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) 9,970 78.0 -0.7 1.4
2 東京海上AM 東京海上・円資産バランスF(毎月)《円奏会》 6,695 -14.7 -5.3 0.5
3 三井住友トラスト 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 5,994 -229.5 22.1
4 フィデリティ投信 フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無) 5,566 17.5 -9.4 1.3
5 フィデリティ投信 フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド 5,255 1.5 -3.1 0.8
6 大和AM ダイワ・US-REIT・オープン(毎月)B(ヘッジ無) 5,208 115.7 -10.5 0.8
7 AM-One グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 5,184 4.0 27.5
8 アライアンス・B AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 5,181 276.2 22.1 12.3
9 ゴールドマン・S netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無) 5,012 193.1 24.2 15.2
10 大和AM ダイワファンドラップ 日本債券セレクト 4,876 20.2 -1.5 1.2
11 レオス ひふみプラス 4,864 -247.4 8.5 8.1
12 日興AM グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 4,847 -56.6 51.2
13 AM-One 新光 US-REITオープン《ゼウス》 4,539 7.5 -9.9 0.4
14 AM-One グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 3,926 4,095.0
15 三菱UFJ国際投信 グローバル・ソブリン・オープン (毎月) 3,915 -41.3 4.5 -0.2
16 日興AM グローバル3倍3分法ファンド(1年) 3,817 -160.2 0.6
17 フィデリティ投信 フィデリティ・日本成長株・ファンド 3,781 -21.2 10.2 3.5
18 日興AM 財産3分法F(不動産・債券・株式)毎月 3,597 -5.7 -1.1 1.7
19 日興AM スマート・ファイブ(毎月) 3,522 38.1 1.5 2.6
20 大和AM ダイワファンドラップ 日本株式セレクト 3,503 -18.6 5.3 2.1
21 Tロウ・プライス ティー・ロウ・プライス 米国成長株式F《アメリカン・ロイヤルロード》 3,427 -15.9
22 三井住友トラスト J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) 3,323 81.2 -11.8 3.3
23 日興AM グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2) 3,304 -56.0 17.4
24 日興AM ラサール・グローバルREITファンド(毎月) 3,202 -29.1 -16.5 -2.6
25 大和AM ダイワJ-REITオープン(毎月) 2,982 99.4 -14.8 1.9
26 東京海上AM 東京海上・円資産バランスF(年1)《円奏会》 2,884 -4.3 -5.3 0.5
27 日興AM グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年) 2,849 -110.3 17.6
28 野村AM 野村インド株投資 2,729 -6.3 -11.2 -0.3
29 さわかみ投信 さわかみファンド 2,696 -2.2 -3.7 0.1
30 三井住友DS 日興FW・日本債券ファンド 2,508 9.4 -1.5

(データ出所:投資信託事情・イボットソン)