ETF（上場投資信託）市場の概況
東京証券取引所が公表したETF・ETN月間相場表（2018年10月版）によると、2018年10月のETF市場全体の月間売買代金（立会内とToSTNetの合計）は前月比約80%増加し、約7.15兆円となりました。東京証券取引所には、10月末現在、223本のETFが上場しています。
ETFの売買代金ランキング
月間の売買代金が最も大きかった銘柄は、2018年10月も野村アセットマネジメントの「NEXT FUNDS日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」（1570）でした。同ETFの10月の月間売買代金は約4.72兆円（立会内とToSTNeT合計）で、全体の約66％を占めました。
売買代金上位10位銘柄は次の表の通りでした。10月も売買代金上位10位ファンド全てが日本の株式市場を対象とするETFで、この内5本のETFがブルベア型のファンドでした。引き続きブルベア型を利用した短期的売買がETF市場の中心であることが窺えます。
【2018年10月 ETF売買代金ランキング上位10位銘柄】
| 順位 | 銘柄コード | ファンド名 | 対象指数 | 売買代金（百万円） | 運用会社 |
| 1 | 1570 | NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 | 日経平均レバレッジ・インデックス | 4,727,141 | 野村 |
| 2 | 1357 | NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 | 日経平均ダブルインバース・インデックス | 888,729 | 野村 |
| 3 | 1321 | 日経２２５連動型上場投資信託 | 日経平均株価 | 309,281 | 野村 |
| 4 | 1579 | 日経平均ブル２倍上場投信 | 日経平均レバレッジ・インデックス | 251,696 | シンプレクス |
| 5 | 1306 | TOPIX連動型上場投資信託 | TOPIX | 127,759 | 野村 |
| 6 | 1360 | 日経平均ベア２倍上場投信 | 日経平均ダブルインバース・インデックス | 110,340 | シンプレクス |
| 7 | 1330 | 上場インデックスファンド225 | 日経平均株価 | 79,258 | 日興 |
| 8 | 1458 | 楽天ETF-日経レバレッジ指数連動型 | 日経平均レバレッジ・インデックス | 72,875 | 楽天 |
| 9 | 1329 | iシェアーズ・コア 日経225 ETF | 日経平均株価 | 71,407 | ブラックロック |
| 10 | 1320 | ダイワ上場投信－日経２２５ | 日経平均株価 | 63,798 | 大和 |
（データ出所：東京証券取引所 ETF・ETN月刊相場表2018年10月版）
マーケットメイク制度
東京証券取引所では、ETF市場の流動性の改善等を目的として、2018年7月2日から、ETF市場におけるマーケットメイク制度を導入しました。2018年11月1日現在、マーケットメイカーが付いているETFは107銘柄です。売買代金上位10位銘柄については、ブルベア型を除く5本のファンド全てにマーケットメイカーが付いています。
2018年10月10日現在、次の5社がマーケットメイカーとして指定されています。
- 野村證券
- 三菱UFJモルガン・スタンレー証券
- Flow Traders Asia Pte Ltd
- Optiver Australia Pty Limited
- Vivienne Court Trading
