ETF(上場投資信託)市場の概況
東京証券取引所が公表したETF・ETN月間相場表(2020年4月版)によると、2020年4月のETF市場全体の月間売買代金(立会内とToSTNetの合計)は前月比約38%減少し、約8.62兆円になりました。1日当たり売買代金は前月から約38%減少して約4,104億円になりました。
4月の日本銀行によるETFの買い入れは、3月の1.5兆円から減少し、約1.2兆円実施されました。
なお、2020年4月末現在、東京証券取引所には221本のETFが上場しています。
ETFの売買代金ランキング
月間売買代金が最も大きかった銘柄は、2020年4月も野村アセットマネジメントの運用する「NEXT FUNDS日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」(銘柄コード:1570)でした。同ETFの4月の月間売買代金は約4.25兆円(立会内とToSTNeT合計)で、全体の約49%を占めました。前月に続き、同ETFの市場全体の売買代金に占める割合は50%を下回りました。また、4月も売買代金上位10位銘柄の売買代金の合計が全体の9割以上を占めました。
売買代金ランキング(上位10位銘柄)は次の表の通りでした。売買代金上位10位ファンド中8本が日本の株式市場を対象とするETFで、この内6本がブルベア型でした。株式市場の混乱が続く中で、引き続きブルベア型を利用した短期的売買がETF市場の中心であることが伺えます。また、原油価格が暴落する中、原油ETFの売買高が急増し、「WTI原油価格連動型上場投信」と「NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信」の2本が上位10位以内にランクインしました。
【2020年4月 ETF売買代金ランキング上位10位銘柄】
順位 | 銘柄コード | ファンド名 | 売買代金(百万円) | 運用会社 |
1 | 1570 | NEXT FUNDS日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 | 4,248,312 | 野村 |
2 | 1357 | NEXT FUNDS日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 | 2,254,402 | 野村 |
3 | 1360 | 日経平均ベア2倍上場投信 | 311,626 | シンプレクス |
4 | 1579 | 日経平均ブル2倍上場投信 | 287,808 | シンプレクス |
5 | 1321 | 日経225連動型上場投資信託 | 240,363 | 野村 |
6 | 1671 | WTI原油価格連動型上場投信 | 191,962 | シンプレクス |
7 | 1699 | NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信 | 157,111 | 野村 |
8 | 1459 | 楽天ETF‐日経ダブルインバース指数連動型 | 113,158 | 楽天 |
9 | 1458 | 楽天ETF‐日経レバレッジ指数連動型 | 103,002 | 楽天 |
10 | 1306 | TOPIX連動型上場投資信託 | 96,748 | 野村 |
(データ出所:東京証券取引所 ETF・ETN月刊相場表2020年4月版)