ETF(上場投資信託)市場の6月の概況
東京証券取引所が公表したETF相場表(2022年6月版)によると、2022年6月のETF市場全体の月間売買代金(立会内とToSTNetの合計)は前月比約29%増加し、約6.68兆円になりました。1日当たり売買代金は前月から約11.4%増加して約3,038億円になりました。
日本銀行によるETFの買い入れは2回(1,402億円)実施されました。
なお、ロシアのウクライナ侵攻の影響でロシア株式の取引を行うことが困難になったことで2022年3月17日以降売買停止となった「NEXT FUNDS ロシア株式指数・RTS連動型上場投信」(銘柄コード:1324)については、引き続き売買が停止されています。
6月8日に、「iシェアーズ MSCI ジャパンSRI ETF」(銘柄コード:2851)、6月24日に「グローバルX テック・トップ20-日本株式 ETF」(2854)と「グローバルX グリーン・J-REIT ETF」(2855)が東京証券取引所に新規上場しました。
「iシェアーズ MSCI ジャパンSRI ETF」は、MSCI社の基準に基づき、高い環境・社会・ガバナンス(ESG)の格付けを有する企業へのエクスポージャーを提供する 「MSCIジャパン700 SRIセレクト指数(配当込み)」に連動する投資成果を目指すETFで、運用会社はブラックロック・ジャパン株式会社です。
また、「グローバルX テック・トップ20-日本株式 ETF」は、日本を代表するテクノロジー関連企業の国内上場株式を構成銘柄とする「FactSet Japan Tech Top 20 Index」に連動する投資成果を目指すETF、「グローバルX グリーン・J-REIT ETF」は国内取引所に上場している不動産投資信託を構成銘柄とし、ESGを考慮した銘柄の投資エクスポージャーを増やす「Solactive Japan Green J-REIT Index」に連動する投資成果を目指すETFで、両ファンドとも運用会社はGlobal X Japan株式会社です。
これら3本の上場により、2022年6月末現在の東京証券取引所における上場ETFの数は266本となりました。
ETFの売買代金ランキング
月間の売買代金が最も大きかった銘柄は、2022年6月も野村アセットマネジメントの運用する「NEXT FUNDS日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」(銘柄コード:1570)でした。同ETFの6月の月間売買代金は約3.2兆円(立会内とToSTNeT合計)で、全体の約半分(48%)を占めました。また、6月も一部の銘柄に売買が集中した状態が続き、売買代金上位10位銘柄の売買代金の合計が全体の約8割を占めました。
売買代金ランキング(上位10位銘柄)は次の表の通りでした。売買代金上位10位ファンド中9本が日本の株式市場を対象とするETFで、この内6本がブルベア型のETFでした。引き続きブルベア型を利用した短期売買がETF市場の中心となっています。
【2022年6月 ETF売買代金ランキング上位10位銘柄】
順位
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銘柄コード | ファンド名 | 売買代金(百万円) | 運用会社 |
1 | 1570 | NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 | 3,196,447 | 野村 |
2 | 1357 | NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 | 562,573 | 野村 |
3 | 1579 | 日経平均ブル2倍上場投信 | 407,994 | シンプレクス |
4 | 1459 | 楽天ETF‐日経ダブルインバース指数連動型 | 381,892 | 楽天 |
5 | 1458 | 楽天ETF‐日経レバレッジ指数連動型 | 367,883 | 楽天 |
6 | 1360 | 日経平均ベア2倍上場投信 | 251,790 |
シンプレクス
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7 | 1321 | NEXT FUNDS 日経225連動型上場投信 | 172,818 | 野村 |
8 | 1306 | NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信 | 112,744 | 野村 |
9 | 1571 | NEXT FUNDS 日経平均インバース・インデックス連動型上場投信 | 94,770 | 野村 |
10 | 1552 | 国際のETF VIX短期先物指数 | 88,786 | 三菱UFJ国際 |
(データ出所:東京証券取引所 ETF相場表2022年6月版)
値付日数の少ないETF
2022年6月の東京証券取引所の営業日は22日でしたが、この22日全営業日に値段が付いたETFは、新規上場銘柄と売買停止中の銘柄を除く262本中212本、全体の約8割でした。値付日数の平均は20日でした。値付日数が10日以下だったETFは12本ありました。
売買高が小さいETFや値付日数が少なく、毎日売買が成立していないETFは、購入したい時に購入したい値段で買えない、売却したい時に売却したい値段で売れないと言う流動性リスクが伴います。購入前に各ファンドの流動性を確認することが大切です。
2022年6月の値付日数が10日以下だったファンド
銘柄コード | ファンド名 | 売買代金(百万円) | 値付日数 |
1585 | ダイワ上場投信・TOPIX Ex-Financials | 331 | 10 |
1480 | NEXT FUNDS 野村企業価値分配指数連動型上場投信 | 0.3 | 8 |
1388 | UBS ETF ユーロ圏小型株(MSCI EMU小型株) | 0.26 | 8 |
2527 | NZAM 上場投信 東証REIT Core指数 | 612 | 5 |
2854 | グローバルX テック・トップ20-日本株式 ETF | 23 | 5 |
2855 | グローバルX グリーン・J-REIT ETF | 22 | 5 |
2526 | NZAM 上場投信 JPX日経400 | 10 | 5 |
2560 | MAXISカーボン・エフィシェント日本株上場投信 | 0.69 | 5 |
1479 | ダイワ上場投信-MSCI日本株人材設備投資指数 | 0.48 | 4 |
1490 | 上場インデックスファンドMSCI日本株高配当低ボラティリティ(βヘッジ) | 0.7 | 3 |
1485 | MAXIS JAPAN 設備・人材積極投資企業200上場投信 | 0.08 | 3 |
1596 | NZAM 上場投信 TOPIX Ex-Financials | 0 | 0 |