ETF売買代金ランキング(2022年7月)ーNF 日経平均レバレッジが全体の半分を占める


ETFランキング

ETF(上場投資信託)市場の7月の概況

東京証券取引所が公表したETF相場表(2022年7月版)によると、2022年7月のETF市場全体の月間売買代金(立会内とToSTNetの合計)は前月比約11.7%減少し、約5.9兆円になりました。1日当たり売買代金は前月から約2.9%減少して約2,950億円になりました。

日本銀行によるETFの買い入れは実施されませんでした。

なお、「NEXT FUNDS ロシア株式指数・RTS連動型上場投信」(銘柄コード:1324)については、ロシアのウクライナ侵攻の影響でロシア株式の取引を行うことが困難になったことから2022年3月17日以降売買が停止されています。

7月27日に、「i シェアーズ ドイツ国債 ETF(為替ヘッジあり)」(銘柄コード:2857)と「iシェアーズ 米国債3-7年 ETF(為替ヘッジあり)」(2856)、7月29日に「グローバルX 日経225 カバード・コール ETF(プレミアム再投資型)」(2858)が東京証券取引所に新規上場しました。

「i シェアーズ ドイツ国債 ETF(為替ヘッジあり)」は、ドイツ国債への投資を通じて、「FTSEドイツ国債インデックス(国内投信用、円ヘッジ・円ベース)」に連動する投資成果 を目指すETFです。「iシェアーズ 米国債3-7年 ETF(為替ヘッジあり)」は、米国債への投資を通じて、「FTSE米国債3-7年セレクト・インデックス(国内投信用、円ヘッジ・円ベース) 」に連動する投 資成果を目指すETFです。この二つのETFの運用会社は、ブラックロック・ジャパン株式会社です。

また、「グローバルX 日経225 カバード・コール ETF(プレミアム再投資型)」は、日経平均株価を対象に、「カバードコール戦略」に基づく運用を行った場合の収益を表す「日経平均カバードコールATM インデックス」に連動する投資成果を目指すETFで、運用会社はGlobal X Japan株式会社です。

 

また、7月25日に「NEXT FUNDS 南アフリカ株式指数・FTSE/JSE Africa Top40 連動型上場投信」(銘柄コード:1323)が上場廃止となりました。同ETFは、残高が増加せず、受益権の口数が、信託契約を解約し信託を終了させることができる条件のひとつである200万口を4年以上にわたって下回っている状況にあり、今後も残高の増加が見込みにくいと運用会社が判断したため、繰上償還されました。

これらの結果、2022年7月末現在の東京証券取引所における上場ETFの数は268本となりました。

 

ETFの売買代金ランキング

月間の売買代金が最も大きかった銘柄は、2022年7月も野村アセットマネジメントの運用する「NEXT FUNDS日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」(銘柄コード:1570)でした。同ETFの7月の月間売買代金は約2.84兆円(立会内とToSTNeT合計)で、全体の約半分(48%)を占めました。また、7月も一部の銘柄に売買が集中した状態が続き、売買代金上位10位銘柄の売買代金の合計が全体の約85%を占めました。

売買代金ランキング(上位10位銘柄)は次の表の通りでした。売買代金上位10位ファンド中9本が日本の株式市場を対象とするETFで、この内6本がブルベア型のETFでした。引き続きブルベア型を利用した短期売買がETF市場の中心となっています。

 

【2022年7月 ETF売買代金ランキング上位10位銘柄】

順位 銘柄コード ファンド名 売買代金(百万円) 運用会社
1 1570 NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 2,840,387 野村
2 1357 NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 605,883 野村
3 1459 楽天ETF‐日経ダブルインバース指数連動型 385,206 楽天
4 1458 楽天ETF‐日経レバレッジ指数連動型 315,020 楽天
5 1579 日経平均ブル2倍上場投信 274,602 シンプレクス
6 1360 日経平均ベア2倍上場投信 222,705 シンプレクス
7 1321 NEXT FUNDS 日経225連動型上場投信 131,750 野村
8 1306 NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信 112,485 野村
9 1552 国際のETF VIX短期先物指数 72,767 三菱UFJ国際
10 1330 上場インデックスファンド225 63,766 日興

(データ出所:東京証券取引所 ETF相場表2022年7月版)

 

 

値付日数の少ないETF

 2022年7月の東京証券取引所の営業日は20日でしたが、この20日全営業日に値段が付いたETFは、新規上場銘柄、上場廃止銘柄と売買停止中の銘柄を除く264本中212本、全体の約8割でした。値付日数の平均は18日でした。値付日数が10日以下だったETFは18本ありました。

 

2022年7月の値付日数が10日以下だったファンド

銘柄コード ファンド名 売買代金(百万円) 値付日数
2843 上場インデックスファンド豪州国債(為替ヘッジあり) 338 10
2560 MAXISカーボン・エフィシェント日本株上場投信 34 10
1394 UBS ETF 先進国株(MSCIワールド) 2.7 10
1584 サムスンKODEXサムスングループ株証券上場指数投資信託[株式] 0.2 10
2527 NZAM 上場投信 東証REIT Core指数 312 9
2850 NEXT FUNDS SolactiveジャパンESGコア指数連動型上場投信 2.3 9
1654 ダイワ上場投信-FTSE Blossom Japan Index 0.5 9
2648 NEXT FUNDS ブルームバーグ米国国債(7-10年)インデックス(為替ヘッジあり)連動型上場投信 5,437 8
1479 ダイワ上場投信-MSCI日本株人材設備投資指数 7.8 8
1652 ダイワ上場投信-MSCI日本株女性活躍指数(WIN) 471,905 7
1490 上場インデックスファンドMSCI日本株高配当低ボラティリティ(βヘッジ) 205 6
1585 ダイワ上場投信・TOPIX Ex-Financials 80 6
1388 UBS ETF ユーロ圏小型株(MSCI EMU小型株) 0.9 6
1596 NZAM 上場投信 TOPIX Ex-Financials 3.7 5
1485 MAXIS JAPAN 設備・人材積極投資企業200上場投信 0.9 5
1480 NEXT FUNDS 野村企業価値分配指数連動型上場投信 13 3
1468 JPX日経400ベア上場投信(インバース) 5.2 3
2526 NZAM 上場投信 JPX日経400 0.035 2

売買高が小さいETFや値付日数が少なく、毎日売買が成立していないETFは、購入したい時に購入したい値段で買えない、売却したい時に売却したい値段で売れないと言う流動性リスクが伴います。購入前に各ファンドの流動性を確認することが大切です。