毎日取引が成立したETFは229本中126本
ETF(上場投資信託)の値付日数とは、証券取引所が開いている日(営業日)のうち実際に各ETFの値段が付いた(取引が成立した)日数のことです。取引所に上場していても、全てのETFの取引が毎日成立するわけではなく、値付日数はETFによって異なります。
2019年6月末現在、東京証券取引所には233本のETFが上場しています。そのうち6月に上場した4本を除く229本のうち、取引所の全営業日(20日)に取引が成立したETFは126本でした。全営業日に取引が成立したETFの割合は、2019年5月の58.9%から6月は55.0%に低下したことになります。一方で値付日数が5日以下だったETFは229本中29本ありました。
2019年6月の値付日数が5日以下だった29本のETFは次の通りです。引き続き、業種型、商品型のETFが目立ちますが、主要指数である東証株価指数(TOPIX)への連動を目指すETFも含まれています。また、これらの中にはマーケットメイカーが参加している銘柄も含まれています。
銘柄コード | ETF名 | 値付日数 | マーケットメイクの対象銘柄(●) |
1387 | UBSユーロ圏株 | 5 | |
1397 | SMAM225 | 5 | |
1468 | JPX日経400ベア | 4 | |
1485 | MAXIS J積極投資 | 4 | ● |
1694 | ニッケルETF | 4 | |
2526 | NZAM 400 | 4 | ● |
1596 | NZAM Ex―F | 3 | |
1636 | ダイワ建設 | 3 | |
1637 | ダイワ素材 | 3 | |
1641 | ダイワ機械 | 3 | |
1649 | ダイワ金融 | 3 | |
1652 | 大和WIN | 3 | ● |
1673 | 銀ETF | 3 | |
1460 | MAXIS Jクオリティ | 2 | |
1479 | 大和MSCI人材設備 | 2 | ● |
1598 | RNFI ETF | 2 | ● |
1647 | ダイワ小売 | 2 | |
1650 | ダイワ不動産 | 2 | |
2523 | MAXIS トピックス除く金融 | 2 | |
1567 | MAXISリスク5 | 1 | |
1645 | ダイワ運輸 | 1 | |
1646 | ダイワ商社 | 1 | |
1676 | 金属ETF | 1 | |
2524 | NZAM TOPIX | 1 | ● |
1574 | MAXISリスク10 | 0 | ● |
1634 | ダイワ食品 | 0 | |
1640 | ダイワ鉄鋼 | 0 | |
1684 | 商品ETF | 0 | |
1686 | メタルETF | 0 |
マーケットメイク制度
東京証券取引所は、ETF市場の流動性を改善するために、2018年7月からマーケットメイク制度を導入しました。さらに、2019年4月より、マーケットメイク制度を一部改正し、既存の制度に加え、期間限定でマーケットメイカーに1~10億円相当額の注文の常時提示を求めインセンティブを設定し、また、気配提示銘柄数を削減するなどして、マーケットメイカー参入の促進を図るなど、機関投資家の利用に適した流動性の提供を目指しています。
2019年7月9日現在、マーケットメイク対象銘柄(マーケットメイカーが付いているETF)は120銘柄です。ただし、マーケットメイク対象銘柄であっても、全営業日に取引が成立しているとは限りません。一方で、マーケットメイカーが参加していなくても、全営業日に取引が成立している銘柄もあります。
マーケットメイカーが参加している銘柄一覧はこちらから確認できます。→https://www.jpx.co.jp/equities/products/etfs/issues/01.html
また、2019年7月9日現在、次の7社がマーケットメイカーとして指定されています。
- 野村證券
- 三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社
- Flow Traders Asia Pte Ltd
- Optiver Australia Pty Limited
- Vivienne Court Trading
- Grasshopper Pte Ltd
- JPモルガン証券株式会社
値付日数が少ないETFのリスク
値付日数の少ないETFの場合、買いたくても買えない、売りたくても売れない、売買したい価格での取引が成立しない、市場価格と基準価額が乖離しているという問題が生じます。
ETFを購入する前に、各ETFの値付日数、売買口数、売買金額などを確認しておくことが大切です。これらの情報は、東京証券取引所が公表しているETF・ETN月間相場表で確認することができます。