毎日取引が成立したETFは223本中139本
ETFの値付日数は、証券取引所が開いている日(営業日)のうち実際に各々のETFの値段が付いた(取引が成立した)日数のことです。上場しているからと言って、全てのETFの取引が毎日成立するわけではなく、値付日数はETFによって大きく異なります。
2018年10月末現在、東京証券取引所には223本のETFが上場しています。このうち、10月の営業日(22日)に毎日取引が成立したのは139本だけでした(9月は223本中127本)。一方で値付日数が5日以下だったETFは12本ありました。10月のETFの値付日数の分布は次の通りです。
(データ:東京証券取引所ETF・ETN月間相場表)
全営業日に値段が付いたETFの割合を見ると、9月の57%から10月には62.3%に上昇しました。
10月の値付日数が5日以下のETF
一方で、2018年10月の値付日数が5日以下だった12本のETFは次の通りです。業種型、商品型のETFが目立ちます。なお、このうちMAXIS JAPAN 設備・人材積極投資企業200上場投信(1485)にはマーケット・メイカーが付いていました。
銘柄コード | ファンド名 | 値付日数 |
1485 | MAXIS JAPAN 設備・人材積極投資企業200上場投信 | 5 |
1641 | ダイワ上場投信・TOPIX-17 機械 | 5 |
1645 | ダイワ上場投信・TOPIX-17 運輸・物流 | 5 |
1647 | ダイワ上場投信・TOPIX-17 小売 | 5 |
1691 | ETFS ガソリン上場投資信託 | 5 |
1636 | ダイワ上場投信・TOPIX-17 建設・資材 | 4 |
1567 | MAXISトピックスリスクコントロール(5%)上場投信 | 3 |
1676 | ETFS 貴金属バスケット上場投資信託 | 3 |
1649 | ダイワ上場投信・TOPIX-17 金融(除く銀行) | 2 |
1650 | ダイワ上場投信・TOPIX-17 不動産 | 2 |
1692 |
ETFS アルミニウム上場投資信託 | 2 |
マーケットメイク制度
東京証券取引所は、ETF市場の流動性を改善するために、2018年7月からマーケットメイク制度を導入しました。11月1日現在、マーケットメイカーが付いているETFは107本です。しかし、マーケットメイカーが付いているETFであっても、10月に全営業日に取引が成立したETFの割合は約7割で、値付日数が10日以下のETFも4本ありました。
マーケットメイカーが付いているETFが全体の半分以下であり、マーケットメイカーが付いているETFでも値付日数が少ないETFがあることから、ETF市場における流動性にはまだ改善の余地があると言えます。
値付日数が少ないETFのリスク
流動性の低いETFの場合、買いたくても買えない、売りたくても売れない、売買したい価格での取引が成立しない、市場価格と基準価額が乖離しているという問題が生じます。
ETFを購入する前に、各ETFの値付日数、売買口数、売買金額などを確認しておくことが大切です。これらの情報は、東京証券取引所が公表しているETF・ETN月間相場表で確認することができます。