毎日取引が成立したETFは223本中151本
ETFの値付日数は、証券取引所が開いている日(営業日)のうち実際に各々のETFの値段が付いた(取引が成立した)日数のことです。上場していても、全てのETFの取引が毎日成立するわけではなく、値付日数はETFによって大きく異なります。
2018年12月末現在、東京証券取引所には223銘柄のETFが上場しています。このうち12月の全営業日(19日)に取引が成立したETFは151本でした。一方で値付日数が5日以下だったETFは15本ありました。12月のETFの値付日数の分布は次の通りです。
(データ:東京証券取引所ETF・ETN月間相場表)
また、全営業日に値段が付いたETFの割合を見ると、11月の58.3%から12月には67.7%に上昇しました。
12月の値付日数が5日以下のETF
一方で、2018年12月の値付日数が5日以下だったETFは15本ありました。引き続き、業種型、商品型のETFが目立ちます。また、これらのETFのうち「MAXISトピックスリスクコントロール(10%)上場投信(1574)」と「MAXIS JAPAN 設備・人材積極投資企業200上場投信(1485)」は、マーケットメイカーが付いていますが、値付日数は低い水準にとどまりました。
銘柄コード | ファンド名 | 値付日数 |
1676 | ETFS 貴金属バスケット上場投資信託 | 0 |
1685 | ETFS エネルギー上場投資信託 | 0 |
1686 | ETFS 産業用金属上場投資信託 | 1 |
1692 | ETFS アルミニウム上場投資信託 | 1 |
1567 | MAXISトピックスリスクコントロール(5%)上場投信 | 2 |
1574 | MAXISトピックスリスクコントロール(10%)上場投信 | 2 |
1634 | ダイワ上場投信・TOPIX-17 食品 | 3 |
1645 | ダイワ上場投信・TOPIX-17 運輸・物流 | 3 |
1460 | MAXIS JAPAN クオリティ150上場投信 | 4 |
1636 | ダイワ上場投信・TOPIX-17 建設・資材 | 4 |
1641 | ダイワ上場投信・TOPIX-17 機械 | 4 |
1485 | MAXIS JAPAN 設備・人材積極投資企業200上場投信 | 5 |
1640 | ダイワ上場投信・TOPIX-17 鉄鋼・非鉄 | 5 |
1649 | ダイワ上場投信・TOPIX-17 金融(除く銀行) | 5 |
1691 | ETFS ガソリン上場投資信託 | 5 |
マーケットメイク制度
東京証券取引所は、ETF市場の流動性を改善するために、2018年7月からマーケットメイク制度を導入しました。2019年1月4日現在、マーケットメイカーが付いているETFは109銘柄です。しかし、マーケットメイカーが付いているETFであっても、全営業日に取引が成立しているとは限りません。
マーケットメイカーが付いているETFが全体の半分以下であり、マーケットメイカーが付いているETFでも値付日数が少ないETFがあることから、ETF市場における流動性にはまだ改善の余地があると言えます。
値付日数が少ないETFのリスク
流動性の低いETFの場合、買いたくても買えない、売りたくても売れない、売買したい価格での取引が成立しない、市場価格と基準価額が乖離しているという問題が生じます。
ETFを購入する前に、各ETFの値付日数、売買口数、売買金額などを確認しておくことが大切です。これらの情報は、東京証券取引所が公表しているETF・ETN月間相場表で確認することができます。