2015年8月に償還したファンド

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投資信託協会によると、2015年8月に19本の追加型株式投資信託が償還を迎えました。このうち6本は満期償還でした。残りの13本については、あらかじめ設定されていた運用期間を繰り上げて償還する、いわゆる繰上償還が行なわれました。繰上償還の理由は、「オフショア人民元債フォーカス（ダイワSMA専用）」と「チャイナ内需関連株式ファンド」を除くと、運用資産が減少し、運用方針に則った効率的な運用ができないというものでした。

「オフショア人民元債フォーカス（ダイワSMA専用）」については、運用会社である損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントが金融庁に提出した臨時報告書によると、「受益者より全受益権口数の解約実行の請求を受けたことにより、信託約款第40条第１項に規定するやむを得ない事情が発生したものと判断し、信託を終了（繰上償還）することを決定した」ということです。信託契約の解約については、 委託会社は、①信託期間中において、信託契約の一部を解約することにより、受益権の口数が10億口を下回ることとなった場合、②信託契約を解約することが受益者のため有利であると認めるとき、③またはやむを得ない事情が発生したときは、受託会社と合意のうえ信託契約を解約し、信託を終了させることができると定められており、この③に該当したということです。

また、「チャイナ内需関連株式ファンド」については、大口の解約と中国株式市場の大幅な下落が重なったことで基準価額が大きく下落し、運用会社である三井住友アセットマネジメントでは、2015年7月30日以降、ファンドの購入・換金の受付を中止しました。運用会社は、ファンドの購入・換金の申込み受け付けを再開した場合、再び基準価額が大幅に変動し、受益者間の公平性が損なわれる可能性が高いために、これも「やむを得ない事情」であると判断して繰上償還を決定したということです。

通常、純資産総額の減少により運用方針に則った効率的な運用ができないことを理由に繰上償還を決定する場合には、「投資信託及び投資法人に関する法律」の規定に従い、書面による決議をもって実施されます。運用会社が受益者に対して繰上償還に関する決議の賛否を問う書面「議決権行使書面」を送り、受益者の議決権の３分の２以上の賛成をもって可決されることになります。この過程を異議申し立て期間といいます。しかし、「チャイナ内需関連株式ファンド」のケースでは、信託約款にある書面による決議を行なうことが困難な「真にやむを得ない事情」に該当するとして、書面決議を経ずに繰上償還が行なわれました。

8月に償還を迎えたファンドの中で、1口当たり償還金と運用期間中に投資家が受け取った分配金の合計金額が10,000円を下回ったファンドは、SBIアセットマネジメントの「日本株トリプル・ブルベアオープン（ベア）」で、1口当たり償還金と分配金の合計金額は178.26円でした。一方、同合計金額が最も大きかったのは、同じくSBIアセットマネジメントの「日本株トリプル・ブルベアオープン（ブル）」で、合計金額は67,593.35円でした。「日本株トリプル・ブルベアオープン（ベア）」は、日々の基準価額の 値動きが日本の株式市場全体の値動きの概ね3倍程度逆となる投資成果を目指し、「日本株トリプル・ブルベアオープン（ブル）」は、日々の基準価額の値動きが日本の株式市場全体の値動きの概ね3倍程度となる投資成果を目指すファンドでした。

（データ出所：投資信託協会）