収益率15%を目指す投資信託ーあおぞら投信の「ぜんぞう」


あおぞら投信株式会社は2014年2月に株式会社あおぞら銀行の100%子会社として設立された投資信託運用会社です。2020年3月末現在、契約型公募投資信託約550億円、契約型私募投資信託約910億円を運用しています。あおぞら投信は、「顧客の大切な資産を全力で守り育てていくこと」を経営理念に掲げています。

あおぞら投信の主力ファンドは限定追加型のバランス型投資信託の「ぜんぞうシリーズ」です。同シリーズは2014年8月5日に第一号となる「あおぞら・新グローバル分散ファンド(限定追加型)2014-08(愛称:ぜんぞう1408)」が設定され、これまでに19本の「ぜんぞう」シリーズの投資信託が設定されてきまました。なお、限定追加型とは、投資家が購入の申し込みができる期間を一定期間に限定している投資信託のことです。ぜんぞうの場合は、ファンドの設定前一ヶ月程度と設定後二ヶ月程度の期間に限定しています。

 

ぜんぞうシリーズの特徴

 

明確な運用目標

ぜんぞうシリーズは、先進国の債券に40%、グローバル株式に60%の割合で分散投資を行い、「約5年の運用期間の間に収益率15%を目指す」という明確な目標を掲げている投資信託です。投資信託は10,000円で設定されるので、基準価額が11,500円に増えることを目指すことになります。

ぜんぞうでは、ファンドの基準価額が目標の11,500円以上となった場合には、安定的な債券運用に切り替わります。つまり、株式で運用している部分を減らし、債券で運用する割合を増やします。ただし、15%の収益率は目標であって、達成することを保証しているわけではありません。また、債券運用に切り替わった後に、ファンドの基準価額が下落することもあるので、ファンドの償還時点で15%の収益率が維持されるとも限りません。なお、ぜんぞうシリーズの各ファンドの運用期間は約5年間です。

 

時間分散

ファンドの愛称である「ぜんぞう」は、株式の実質的な組入比率を計画的に段階的に引き上げる(漸増する)ことで買付時期の分散を図るというファンドの特徴に由来しています。

ぜんぞうでは、株式の組入比率を最初から60%にせず、時間を分散して、当初5%からはじめ、1年をかけて60%まで増やします。こうすることで、投資家が抱える下落・上昇のリスク不安をできるだけ抑えようとしています。

 

銘柄分散

ぜんぞうでは、広範な銘柄分散が行われています。株式部分については、世界の約9,700銘柄に分散投資を行い、債券部分については、約260銘柄に分散投資を行うことでリスク分散を図っています。

 

運用はディメンショナル・ファンド・アドバイザーズが行う

ぜんぞうは、ファンド・オブ・ファンズの形式をとっており、株式部分と債券部分の両方において米国テキサス州オースティンを本拠地とするディメンショナル・ファンド・アドバイザーズ(Dimensional Fund Advisors)が運用する投資信託に投資しています。

ディメンショナル・ファンド・アドバイザーズは近代ファイナンスの父と称されるシカゴ大学のユージン・ファーマ教授をはじめ、ロバート・マートン氏、マイロン・ショールズ氏の3名のノーベル経済学賞を受賞した経済学者や世界的に著名な学術研究者がコンサルタントや取締役等を務め、学術的研究を応用した運用を実践している運用会社です。同社の創業は1981年で、2020年3月末現在のディメンショナルグループの運用資産残高は4,540億米ドル(約49兆円)を誇ります。

 

ぜんぞうの運用成績

ぜんぞうシリーズは、これまでに19本が設定され、すでに6本が償還を迎えています(2020年5月18日現在)。この6本のうち5本が目標の収益率15%を達成して償還しています。具体的には、2014年8月に設定された第一号ファンドの「ぜんぞう」は、収益率15%(=基準価額11,500円)を達成した後に満期償還を迎え、4本は、目標の11,500円を達成し、その後安定運用に切り替えられた後に繰上償還されました。残る1本(ぜんぞう1502)は、11,500円を達成しませんでしたが、10,960.94円で満期償還を迎えました。