年末年始の連休を利用して山積みになったままの雑誌等に目を通していると、ある大手外食企業の確定拠出年金導入についての記事が目にとまった。その記事によると、この会社では2002年1月(つまり今月から)、確定拠出年金を中心とした退職給付制度へと全面移行するという。
確定拠出年金法が施行されているわけだから、導入自体は驚きではなかった。ただ、関心したのはこの導入にあたって、従業員教育に1年以上も前から着手してきたという点である。1年以上も前から社内報による啓蒙、一般社員に先行した管理監督者に対する教育、全社員対象の研修を実施してきたという。その後、教育ビデオを利用した教育や研修会を実施し、更に、海外拠点の社員には日本から担当者が出向いて説明会を実施。入院や自宅療養している社員や視聴覚に障害をもつ社員に対しても個別の対応を行い、一人のもれもなく制度導入の説明を既に完了しているという。
説明を受けた従業員が十分に理解したかどうかや教育や研修の内容の程度は別として、1年以上も前から用意周到に説明会や研修を実施していた企業があったというのは驚きであった。同じように確定拠出型年金の導入を決めた他の会社では、ほとんど研修や説明がなかったという話を聞いていた。会社型については、スポンサーとなる企業の取り組み姿勢によって従業員教育にかなりの格差があることは明らかである。
とはいえ、私が入ろうとしているのは個人型である。個人型については、相変わらず情報がほとんどない。企業型では加入者は待っていれば教育用教材が提供され、説明会等のスケジュールも知らされるが、個人型はそうはいかない。受身でいても、何もおこらないのである。自ら動いて情報をとりにゆかなければならない。しかも、どこにとりにゆくかも自ら探し出すしかない。個人型において誰かが教育を提供してくれるのかどうかも不明である。自分の年金なのだから全てが自己責任といえばそれまでなのだが、加入までの道のりは決して簡単ではなさそうなのである。