1年近くも、運用状況を確認していない確定拠出年金。老後に向けた長期運用なので、一喜一憂するつもりもないというのがその理由ですが、8月20日に、久しぶりに運用状況をチェックするために、日本レコード・キーピング・ネットワークのHPにアクセスしてみました。
私は、毎月の掛け金23,000円を、「フィデリティ・日本成長株・ファンド」に80%、「ステート・ストリート・DC外国株式インデックス・オープン」に20%という配分で運用を続けてきました。
フィデリティ・日本成長株・ファンドは、米国の大手運用会社の日本法人であるフィデリティ投信が運用する投資信託です。いわゆるアクティブ運用型のファンドで、日本の株式を投資対象としています。一方、ステート・ストリート・DC外国株式インデックス・オープンは、同じく米国を本拠地とするステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズの日本法人が運用するファンドで、世界の株式に分散投資します。こちらはインデックス型のファンドです。ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズは、SPDR(スパイダー)というブランドのETF(上場投資信託)で世界的に知られています。
さて、2015年7月末現在の運用成績はというと、2014年8月にチェックした時に比べて、評価益は約82万円増えています。これらの数字だけ見ると、とてもよい運用成績に見えます。ただ、残念ながら、ベンチマークと比較してどうなのかというのは、この数字からも日本レコード・キーピング・ネットワークのHPからもわかりません。そこで、二つのファンドの運用レポートを見てみました。
「フィデリティ・日本成長株・ファンド」の7月末現在の月報によると、過去10年のファンドの収益率(年率)は+4.38%、一方で、ベンチマーク収益率は+5.15%と記載されています。ファンドはベンチマークを0.77%下回っています。このファンドはアクティブ運用型で、長期的にベンチマークを上回る運用成果をあげることを目標としているので、その目標を達成していないということのようです。過去1年といえば、日本株がアベノミクス効果で盛り上がった時期ですが、過去1年で見てもファンドの収益率は+24.06%、ベンチマーク収益率は+31.11%と、ベンチマークに7.06%負けています。残念です。
一方で、ステート・ストリート・DC外国株式インデックス・オープンの過去10年の収益率(年率)は+6.77%で、ベンチマークは+8.05%。こちらもベンチマークを1.28%下回っています。過去1年で見ると、ファンドの収益率は+23.20%、ベンチマークは+24.56%で、やはりベンチマークを1.35%下回っています。このファンドはインデックス運用のファンドですから、ファンドの目的はベンチマークの動きに連動した投資成果の獲得です。1.35%程度ベンチマークを下回る運用成績というのはファンドが負担する費用を考慮して妥当な水準なのかどうか不明ですが、これについては、時期を見て、他のインデックスファンドと比較してみたいと思います。
さて、ではどうするかということになります。最近の日本株市場の不透明感、日本株ファンドがベンチマークを長期にわたり下回っていること、個人的に米国株式の好調が続くことが期待できるのではないかと考えたことという理由で、ファンドの約6割が米国株に配分されているステート・ストリート・DC外国株式インデックス・オープンへの配分を20%から50%に引き上げることにしました。結果として、フィデリティ・日本成長株・ファンドについては、80%から50%に引き下げることになります。これまでに積み立てた分に関しては、売却して、もう一方のファンドを購入するということもできるのですが、今は、次月からの新規の掛け金の配分の変更にとどめておきます。
この変更を行った直後に中国株の暴落から、世界的に株価が急落しています。当然ながら、私のポートフォリオにも影響はでているはずですが、8月28日のCNBCのインタビューの中でバンガードの創設者のボーグル氏がこの市場の混乱時に何をすべきか、という質問に対して、「don’t do anything right now」と言っているように、何もしないことにします。