運営管理機関の撤退


12月7日に驚くべきニュースがありました。みずほグループの新光証券が確定拠出年金の運営管理業務から撤退したというのです。受託実績のある運営管理機関の撤退は、2001年10月に確定拠出年金制度が導入されて以来初めてのことだということです。新光証券は、撤退の理由を「コスト増や競争激化で継続的に運営できるかどうか総合的に判断した」と説明しています。

確かに、確定拠出年金の運営管理業務にはほとんどの金融機関が進出しています。一方、加入者数は、会社型で100万人程度、個人型は3万人程度。各社の受託数は大手とそれ以外の金融機関とでは大きな差が出ているものと思われます。そうなると、受託数の少ない金融機関は厳しいということでしょう。

加入者の立場からは見れば、決して安くない手数料を毎月負担しているわけですが、運営管理側は数が取れなければ採算が合うはずもありません。今後も撤退する金融機関が出てくることも予想されます。 新光証券の顧客は他の運営管理機関に引き継がれたということですが、提供される商品・サービスは継承されるのか、パスワードやIDは変るのか、加入者側で変更手続きが必要かなど、不明な点もあり、加入者からすればこのような事態は避けたいものです。しかし、自分が利用する金融機関が将来撤退してしまう可能性があるかどうかを知ることは困難です。加入者側で唯一調べられるのは既存の受託数くらいでしょう。提供される商品などに加えて、既にかなりの受託数を誇っているところを選択すべきということになるのかもしれません。