J-REIT市場は、2001年の創設以降、順調に拡大してきており、東京証券取引所に上場するJ-REITのファンド数は、2015年12月末には53本、時価総額は約10.5兆円に達しました。
では、誰がJ-REITを積極的に売買しているのでしょうか。
東京証券取引所が公表している投資部門別の不動産投資信託証券売買状況(口数ベース)によると、2015年1年間のJ-REITの総売買高(売りと買いの合計)は、93,163,134口でした。この内、詳細データの集計対象となっている52社による売買の合計は89,441,616口で、その投資部門別の内訳は次の通りでした。
(データ:東京証券取引所)
最も積極的だったのは海外投資家で、売買高(売りと買いの合計、口数ベース)は36,557,253口で、全体の約41%を占めました。次に売買高が多かったのは証券会社による自己売買で、売買高は17,322,008口で全体の約19%を占めました。個人投資家の売買高は15,524,947口で第三位でした。投資信託の売買高は7,302,511口で、全体の約8%を占めました。
最も売買高の高かった海外投資家の売りと買いの内訳を見ると、売りが18,537,817口、買いが18,019,436口で、差引では518,381口の売り越しでした。
投資信託の内訳では、売りは3,053,540口、買いは4,248,971口で、差引1,195,431口の買い越しでした。これは、国内不動産投信やJ-REITファンドと呼ばれるJ-REITに投資するタイプの投資信託の人気が背景にあります。
実際に、投資信託協会が公表している国内不動産投信の2015年の資金動向を見ると、月次の資金流入額(資金流入額=投資信託の設定額-解約額-償還額)は1年を通して毎月プラス(資金流入)でした。
(データ:投資信託協会)
ここでは、2015年の投資部門別の不動産投資信託の売買状況を見てきましたが、投資部門別の売買状況は毎年変化します。実際に、2016年に入ると、海外投資家は1月は売り越しでしたが、2月と3月には大幅な買い越しに転じています。一方、投資信託は、2016年1月までは買い越していましたが、2月と3月は売り越しに転じています。
→不動産投信ファンドとは?